『(ルカ、ナツメ。)』
《あ、やっと出てきたの?》
《名前ー、ぼ、ぼくさみしかったよぉぉお!!!》
海に入った途端に私に擦り寄ってくるナツメを抱き締めながらルカに向き合う。
『(私がいなくあったあと、魚人島はどうでしたかぁ?)』
《しらほし様がすっごく取り乱してたよ。まあ、あの人は名前大好きっていうかなんというかだからね。王子様たちと王様はしらほし様の取り乱しように悲しむひまなんてないみたい。他の魚人たちも名前捜索やってるよ。最近はジンベエにも聞いてるみたい。》
ペラペラと近況を話すルカにそうですかぁ、と一言頷く。
予想してたことなので驚きはないですけど……
しらほしは私に依存しすぎなんですよねぇ
私が出ていく前なんて私と結婚するだなんて言ってましたし…
《あ、あとね、名前。白ひげ海賊団の人が最近悪魔の実を手にいれたみたいなの…この前名前が言ってたことだよね…?》
私に抱き締められていたナツメが必死の様子で私に話す。
あぁ、もうそんな時期ですかぁ…
じゃあ、早く白ひげ海賊団に向かわないとですねぇ。
『(ルカ、ナツメ。ありがとうございまぁす。では、さっさと白ひげ海賊団に向かいましょうかぁ。)』
《了解》《わ、わかった…!》
にっこり笑いながらそういうとナツメの背中に乗った。
『(ナツメよろしくお願いしますねぇ)』
《ま、まかせてよ…!》
《じゃあ僕はジンベエを探してからそっち行くね。ジンベエと会ったらマズイでしょ。》
『(そうですねぇ。よろしくお願いしまぁす。)』
私たちは目を合わせて頷くと、それぞれの場所へ向かった。
ちなみにナツメは人魚並みに泳ぐのが早い海王類。うさぎのような耳があるけどきっと海王類。
《ちゃんと捕まっててね?だ、だいじょうぶ?》
『(だいじょぶですよぉ。じゃあ、本気出してくださぁい。)』
《うん!》
ナツメは頷くと、すごいスピードで海を駆けた。
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名前がナツメと共に白ひげ海賊団に向かっている頃白ひげ海賊団ーーー
「オヤジ、赤髪から手紙だよィ。」
「グララララ…、あの若僧がどうした。」
「あぁ…」
ガサゴソと男が手紙を開いて読み始めるとだんだん顔が険しくなりはじめた。
「……はぁ?」
「どうした?」
「いや、なんかよ…女を一人預かってほしいとか、書いてあるんだよぃ…」
「グラララ…!おもしろそうじゃねぇか。わかったと返事書いておけ。」
「オヤジ?!」
「ちょうど娘が欲しかったしな。」
そう言って大きな声で笑う大男を見て、男はなにも言わずにそこから出て行った。
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bkm