泡沫の人魚姫 13


そんなこんなでシャンクスさんの船にお世話になってから約半年。
私はある決心をしていた。


『とゆーわけで、私ちょっと旅に出ますねぇ。』
「「「いやいやいやいや、どういうことだよ!」」」


一斉に突っ込んだみなさんにパチパチと拍手を送る。
いや、だって一斉に突っ込むんですもん。
ある意味すごいですよねぇ。


「で、旅ってなんでだ?」
『えっと、度重なるシャンクスさんのセクハラ行為に疲れて?ですかねぇ。』
「「「「「お頭ぁぁあ!!!!」」」」」
「…すまん、」


あ え て 理由をつけろと言うのならそれですよねぇ。
まあ、半分、半分!は冗談ですけどぉ。


『まあ、というわけで、私、ちょっと白ひげさんのとこに家出しますねぇ。あ、三年後くらいには戻ってくるので安心してくださぁい。』
「はぁぁあ??!!ちょ、ちょっと待てって!」
『なんですかぁ?シャンクスさん。』


オドオドと私にそう言うのは仮にも船長のシャンクスさん。
みなさん、そんな家出くらいで騒がしいですよぉ。


「いや、あの、悪かったから、」
『しつこいですよぉ。とにかく、三年後くらいには帰りますし、手紙も出しますから我慢してくださぁい。』
「だって名前がいなくなったら俺は何を抱いて寝ればいいんだ??!!死ぬぞ、俺死ぬぞ??!!!」
『死ねばいいですよぉ。』


あ、ちょっとイラってきて本音言っちゃいました。
いや、でもこの変態は救いようないんですもん。しょうがないですねぇ。

なんか隅の方で体操座りしていじやけてるいい年したおじさんはほっといて、私はベンさんに向き合う。


『ベンさん、私白ひげさんに会ったことないんで会いたいんですよぉ。で、あわよくば白ひげさんのとこに家出しようかと。』
「いいんじゃないか?お頭も反省するだろう。あぁ、でもちゃんと手紙は書けよ。心配になるから。」


そう言って私の頭を撫でるベンさんに思わずときめいた。
ベンさんはイケメンですねぇ。


「ちょっ!俺も名前の頭撫でる!」


この馬鹿とは違って。
なんか騒いでる馬鹿を無視して手紙を書いてハトに取り付けているベンさんをじっとみる。


「よし、白ひげのとこには手紙送っといたから大丈夫だろ。一応酒も持ってけ。」
『ありがとうございまぁす。…で、シャンクスさんはちょっと離れてくださぁい。』
「嫌だ!!!」


私に抱きついて離れようとしないシャンクスさんにため息をもらす。
この変態は子どもですか。


『シャンクスさん、シャンクスさん。』
「…なんだ?」

チュッ

「???!!!!!」


サービスですよぉ。サービス。

私はシャンクスさんと向き合うとシャンクスさんのほっぺたにキスをしてあげた。
まあ、最後ですしねぇ。

すると、シャンクスさんは顔を真っ赤にして私を見てくる。
はぁ…ロリコンで変態はしょうがないですねぇ。


『じゃあ、私もう行きますのでぇ。シャンクスさんはベンさんたちに迷惑かけないでくださいよぉ。』
「…………」


放心状態のシャンクスさんを無視して私は縮小呪文をかけた荷物を持つと、他のみなさんに手を振りながら海の中に飛び込んだ。
あ、荷物には防水魔法もかけてあるので濡れないようになってるので平気なんですよぉ。





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