泡沫の人魚姫 11


『エクスペリアームズ【武器よ去れ】!』
「うぉ、」「なんだ?!」「武器が!」「俺の刀が!」
『ふふふ!久しぶりの魔法は楽しいですねぇ!』


クスクスと笑いながら声の通りやすいマストの上でみんなを見下ろす。
そこらへんにある箒で試しに空を飛んでみたら飛べたので空を飛んでマストの上に来たんですよぉ。ほんと、空を飛べるっていいですよねぇ。


『さてさて、海軍の皆様には帰っていただきましょうか、ねぇ。…ソノーラス【響け】』


ソノーラスで自分の声をスピーカーのように大きくさせる。
これでみんなに聞こえる、はず。
ただ、ここ何年も魔法使ってなかったのでちょっとだけ心配なんですよねぇ。


『えーっと、海軍の皆さーん。大人しく帰っていただけませんかぁ?私もシャンクスさんたちには恩があるのであんまり船を壊したりはしたくないんですよぅ。それに人殺しもあんまりしたくないし…なので、大人しく出て行けばなんにもしないので帰ってくださいねぇ。もし、帰りたくないのであれば私がお相手しますからぁ。』
「名前ちゃん?!」「あの子なにしたんだ…?」「帰るわけねぇだろ!」「小娘一人になにができる!」


あ、小娘って言葉、なんだか舐められてるみたいで嫌いですねぇ。
…ムカつきますぅ。

ソノーラスを解いてから持っていた箒にヒョイと乗って私のことを馬鹿にした海兵の前ににっこり笑いながら立つ。


『ふふ、小娘ですかぁ…。私も嘗められたものですねぇ。』
「っ、」
『そんな人は…リクタスセンプラ【笑い続けよ】!』
「??!!!!ひっ、ふっは、ひゃっはっはっは!!!!くはっ、ふははははっ!!!!ひい、し、死ぬぅ、あはははは!!!!!ひっ、た、助けてくれぇ!!!!!」
『では、海兵の皆様?この人のように笑い死にたくないのでしたらちゃんと帰ってくださいねぇ?』


にーっこりと笑って言った途端に海軍は顔面蒼白にして船から下りていった。
そこまで怖がらなくてもいいのにぃ。


『あ、一応忘却呪文かけておかなくちゃですねぇ。』


海軍たちが自分たちの船に乗ったのを確認すると、私も箒でふわりと飛んで海軍たちの船に向かった。


『オブリビエイト【忘れよ】と、後は、ステューピファイ【麻痺せよ】』


これで当分は私たちのことを追いかけられないし、私の魔法のことはすっかり忘れてるはずですねぇ。
うんうん、と頷くと私は自分の船へ戻った。


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bkm
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