「で、どういうことなんだ!?」
『シャンクスさん、近すぎですよぅ』
船に戻るなり、シャンクスさんはまっすぐに船長室へ向かう。
あ、そういえば私寝室はシャンクスさんと一緒なんですよねぇ。
まあ、なんかヤられそうになったらぶん殴るので特に被害はないですけどぉ。
「あ、悪い!…で、で、話してくれる約束だろ!」
『えーっと、ベンさんも来てから話しますからそんなに興奮しないでくださぁい。』
私から顔を離したはいいけど、まだ若干興奮しているシャンクスさんをどーどーと宥める。
どうせお話しするのでしたら、ベンさんもいた方がめんどくさくなくて済みますものねぇ。
うるさいシャンクスさんを黙らせてから何分かしたのちにベンさんが来た。
「ベン!遅ぇよ!」
「で、何の用だ?」
『えっとですねぇ、』
「俺はシカトか?!」
「『シャンクスさん/お頭、」』
「『うるさい/ですよぅ』」
「…………」
さて、うっとおしいシャンクスを黙らせたのち、私はベンさんと向き合う。
シャンクスさんは説明するのがめんどくさそうなので。
『あのですねぇ、私魔女っ子なんですよねぇ。それでですね、きっと戦闘も出来ると思うんですよねぇ。』
「いやいやいや、ちょっと待て。」
『?なんですかぁ?』
私がとても簡潔に説明すると、ベンさんは眉間のシワを深めて私を見る。
「お前は人魚じゃなかったのか?」
『人魚ですよぅ?ただ、+魔女なんですよぉ。』
「すげぇな!じゃあ、空飛んだりも出来るのか?」
何時の間に復活したのやら、キラキラした目で私を見てくるシャンクスさんにクスリと笑う。
なんだか子どもみたいで可愛いですねぇ。
『たぶんできますよぅ。でも、一番よくやるのはモノを浮かせたりだとか、ですねぇ。ベンさんも見てみますかぁ?魔法。』
「いや…いい。お前の言ってることが嘘じゃないのは目を見れば分かる。」
『!ふふ…ベンさんは男らしいですねぇ。』
「名前!名前!俺は?!」
『あー…(ある意味)男らしいと思いますよぅ。』
自分の欲望に忠実なところとかが特に。
まあ、私も鬼ではないのでとても喜んでるシャンクスさんにそんなことは言わない。
ベンさんと一緒にシャンクスさんを生暖かい目で見ていると、なんだか外が騒がしくなっていた。
「なんか騒がしいな。」
『そうですねぇ。ほら、シャンクスさん、いつまでも喜んでないで、外の様子見に行きましょぉ?』
「あぁ!」
…なんだか手のかかる弟が出来たみたいですねぇ。シャンクスさんは子どもっぽいですぅ。
うぉおぉお!!!カキンッ!おりゃぁぁあ!!!ドーンッ!ギャァァア!!
シャンクスさんを引っ張って甲板に出るとそこは戦場だった。
え、なんで誰もシャンクスさんを呼ばなかったんですかぁ?
「海軍じゃねぇか。」
「お頭、どうする?」
「…名前、」
『……なんですかぁ?』
「やってみるか?」
シャンクスさんの言葉に私はニンマリと笑みを深めた。
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bkm