ホイヘンスの原理 17


夏休みが明けて、学校に来たら、勉強道具…てゆか、カバン?ゲームとか、漫画とかが入ってるカバンを忘れちゃった。


『なので、今日はサボりの日!』
「いつもでしょ。」「ーー。」
『なんで二人してそんなこと言うの?!』


応接室でそんなことを言ったら、恭弥が突っ込んできた。
あげはは恭弥の言うことに同意するように、長い首をこくこくと頷かせる。

なんてこった!ぱんなこった!私、いちおー、あげはのトレーナーなのに!ひどい!


『いいやい!私は小鉄とラブラブするからぁ!』
「…そういえば、ケーキあるけど。」
『食べねば。』
「(なんでこんなのが天才なんだろう。)」


バッと立ち上がって、冷蔵庫に向かう。
私のケーキ!甘いものは世界を救うー!
ため息をついたあげはがついてきたけど、スルーです。あげはが最近私の保護者になってる気がする…

そういえば、今まで応接室は正式に風紀委員のものじゃなかったらしい。
つい先日の委員会会議で、恭弥が有無を言わさず勝ち取ったって、草壁さんが言ってた。
なんか、草壁さんって苦労してるなぁって思ったから、飴玉あげといた。その飴玉が恭弥から貰ったやつなのは秘密である。

草壁さんは、なんか一緒にいると落ち着くから好きー。……でも、草壁さんって絶対恭弥と同い年じゃないと思う。

冷蔵庫からケーキやらゼリーやら、その他もろもろを取り出して、恭弥のところに戻ろうとすると、人の声がしたので、念のためあげはをモンスターボールの中に戻す。


『恭弥ー?誰かいるのー?』
「草食動物がいる。」


ひょっこりと顔を出すと、イライラしてる恭弥が見えたので、おとなしく冷蔵庫のある応接室と隣接してる小部屋で待つ。

けど、一人はさみしいので、鋼と小鉄を出した。


『つまんないねー。』
「……。」「ーー!」


相変わらず眠そうな鋼と、甘えん坊な小鉄が私の膝の上に乗る。
二人をぎゅーッと抱き締めながら、私はケーキを取り出した。


『食べちゃおっか!』


魅惑のイチゴケーキ!
私が悪いんじゃない。美味しそうなイチゴケーキが悪いんだよ。

十二個入ったケーキの箱から、イチゴケーキを取り出して、三人で三頭分して食べた。美味しかったです。まる。



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bkm
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