ホイヘンスの原理 13


屋上につくと私は誰にもバレない裏の方でゴロンと寝転ぶ。それからバックをゴソゴソといじるとポケモンたちを出した。

寝転んでいる私の首にいろはがゴロゴロ言いながら擦り寄って、鋼と小鉄が私のすぐ隣に寝転んだのを見てから私の意識はまどろんでいった。


「たけしくんやめてーっ!」
「フェンスがさびて今にも折れそうなのに!」
『……ん、?』


スヤスヤと私が寝ていると、ザワザワと人の気配。
それにヤバいな、と思ってとりあえずいろは以外のみんなをモンスターボールに入れてから、私はチラリと前を覗いた。


『?なになに?どうしたんだろね?』
「ーー?」
『んー…とりあえず帰る?あ、でもあげはに怒られちゃうからなぁ…』


むー、と顎に手を当てて家に帰るか帰らないか悩む

どっしよーかなぁ?

私がいろはと悩んでいると、一人の男の子がオロオロとしながらみんなの前に来た。


『あ、前見た怪しい男の子だ。』


そーいえば一人だけフェンスの外に出てるけど、どうしたんだろ?
私がそんなことを考えていると、男の子二人は何か話し始めた。
てゆか、もう一人ってあの爽やかモテそう少年だ。


『んー。いろは、やっぱり帰ろ。』
「ーー!」
『蓮、バシャーモに進化して。』


いろはを肩に乗せてモンスターボールから蓮を出す。すると蓮は私の言いたいことを理解してくれたらしく、すぐにバシャーモに進化して私を肩に乗せたまま、屋上からそのまま降りた。

ら、

『あ、』

なんでパンツ一丁?

怪しい男の子の方がパンツ一丁で爽やか男の子と落ちてくるのがわかった。


『んー、二人ともモンスターボールに戻ってね。』
「「ーー!」」


いろはと蓮をモンスターボールに入れてから、落ちてきてる二人を見上げる。

…あ、なんか怪しい男の子の方から変なのでた。
じーっと二人を見つめていると、二人はとうとう地面にぶつかった。
その瞬間、怪しい男の子から出たネジみたいのが跳ねて二人が助かったのを私は確かに見た。


『おもしろーい!』
「「え?」」
『今のおもしろいね!』


ニコニコと笑いながら二人に拍手をおくる。
前世でもこんな不思議な人いなかったよ!
すごいすごい!


『ねぇねぇ、今のどうやってやるの?すごいね!』
「え、えーっと、」
「…春夏秋冬名前?」
『?私のこと知ってるの?』


私が二人にニコニコ笑いながらしゃがみ込むと、爽やか男の子が私の名前を呟いた。


「え、あの春夏秋冬名前?!」
『?あのってなぁに?』
「えっ、あ、」
「なんでもないのなー。それよりなんで春夏秋冬がここにいるんだ?」


そう言われてはて、と悩む。
私がここにいる理由かぁー…


『学校サボってたからかなぁ?うん。そうかも!』
「えぇ!サボってたら風紀委員会に怒られるよ!」
『風紀…委員会…?』
「まあ、大丈夫じゃね?ツナは心配しすぎなのな。」
『そうそう!なんとかなるのな!』


私はそう言って立ち上がると、今度こそ帰ろうと二人に手を振りながら笑ってその場を後にした。


「やっぱり可愛いよね。春夏秋冬さん…」
「本当、俺もそう思う。いいよな。」


ニヤリと嗤う男二人に名前は気が付かないまま。







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bkm
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