『きょ、きょ、きょ、きょーやぁー!』
「きょが多い。」
今日も今日とて恭弥がお気に入りになった私は恭弥がいる教室に入り浸ってた。
恭弥がなんか突っ込んでたけど、恭弥もこれを見れば驚くだろう!
『ジャーン!見て見て百点だよ!』
「……カンニングはダメだよ。」
『?実力に決まってるじゃんかぁ!』
恭弥に見せたのは百点と書かれている理科のテスト。
すると、恭弥はそれをひったくて側にいたリーゼントさんに渡した。
「草壁、これ本当かどうか調べてきて」
「はい。わかりました。」
『え、なんでそんな信用されてないの。』
そこまで言うほど、私が百点は信用できないのか!
「当たり前でしょ。」
『なんでよーぅ!』
「授業も出てないのに百点とか…なにしたの。」
『なにって…それは私が頭良いからだよ!』
私の言葉に恭弥は嘘だろ、って目をする。
ひっどーい!
『恭弥は私が何年生きてると思ってるの!』
「十三年。」
『………うん。そうなんだけど、ね。違うんだよ。違うの。』
「なにが違うの。」
私が生きてるのは十三年なんだけど、違うんだよ。
だって前世も合わせたらもっとあるもん。
でも、でも、それを言葉じゃ表せなくて、
私からはポロポロと涙が零れた。
「え、」
『〜〜〜〜!!!!きょ、恭弥のばぁぁぁあか!!!!!恭弥なんて知らないんだからぁぁぁあ!!!!いろは!!恭弥に電磁波やっちゃえ!!!』
「ーー!」
「ちょ、」
恭弥の馬鹿ぁぁぁあ!!!!
私はそう言って恭弥のいた教室から逃げ出した。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
いろはを抱き締めたまま、廊下をとぼとぼと歩く。
『うー…恭弥のばぁか。てっぺんから髪の毛ハゲちゃえ。』
ブツブツと恭弥の悪口を言いながら廊下を歩いていると、誰かが消火栓に向かって叫んでいた。
「ちっせーー!!!!」
『?変な人……』
叫んだと思ったら変な人はいきなり倒れる。
やだ、本格的に危ない人じゃんか。
そんなことを思いながら見ていたら、今度は消火栓の中から赤ちゃんと私と同じ年くらいの男の子が出てきた。
『これは駄目だな。』
そう思った私はクルリと方向転換をして危ない人たちとは反対方向にとぼとぼと歩いた。
しばらく当てもなく歩いていると、ドーンドーンと爆発音。
不思議に思って窓を覗くと、グラウンドが爆発してました。
『えー……』
「ーー…」
いろはと二人でグラウンドを見ながらドン引きする。
爆発なんて見たの久しぶりだよ。
『帰ろ。』
そう思った私はそのまま窓からフワリと落ちた。
その様子を見ていた人がいて、ニヒルに笑ったのを私は知らない。
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bkm