人形劇 16


仁王Side

何故か名前ちゃんと離された俺は、ゴンとキルアと呼ばれた少年二人と一緒にいた。


「名前ちゃんはどこ行ったんじゃ…?」
「あー、名前ならクロロ…ってもわかんねぇか。」
「いや、わかる。名前ちゃんの保護者みたいな人じゃろ?」


二人にわかって俺だけ知らない。
そんな言い方にちょっとムキになりながらそう言えば、ゴンと呼ばれとったツンツン頭の少年が驚いたように目を丸くした。


「へぇー!雅治は名前にすごく信頼されてるんだね!」
「…なんでそう思うんじゃ、」
「だって、名前はあんまり昔のこと話したがらないから!でも、雅治には言ったんだから、俺、雅治は信じていいとおもうよ。」


前半の言葉は俺に向かって言ったもの。後半は俺と同じ髪色をしちょるキルアと呼ばれた少年に向けて言ったものだった。


「…ふーん。ま、別に名前の男ってわけじゃないみたいだし。仲良くしてもいいよ。」
「……将来は名前ちゃんのお婿さんになるけぇ。」
「………」
「………」
「喧嘩しないの!名前に怒られるよ!」


無言で睨みあってると、ゴンに止められた。

キルアは気に入らん。
そんなことを思ってれば、キルアが俺に突っかかってきちょった。


「名前がお前なんか相手にするわけねぇだろ。」
「名前ちゃんは俺に優しいんじゃ。」
「お、俺にだって優しいに決まってんだろ!」
「お前なんかに名前ちゃんが優しくするか。」
「はぁー?!名前はなー…」

ドンッ!

「ねぇ、喧嘩は止めてって言ったよね?」


にっこりと笑顔で俺たちを見るゴン。
ただし、雰囲気は幸村を思い出させる。

思わず、キルアと一緒に声を合わせて謝った。

と、ここで、目の前の扉が開いた。


「…お前たち、人の部屋の前で喧嘩するのはやめてくれないか?」
「キルアともう一人の声、うっせーぞ。」


……また知らん人増えよった。


「あ、クラピカ!」
「ゴン、私の部屋の壁が崩れてるんだが。」
「えへ。」
「………はぁ、」


金髪は苦労しとるらしい。ため息ついちょる。


「お、リオレオじゃん。なんでクラピカの部屋にいんの?」
「俺はレオリオだ!今度の任務についてに決まってんだろ!ほんとは、お前らもなんだからな!」


黒髪短髪の男は、いじられキャラらしい。
ほんとの名前はなんなんじゃろうか。
レオリオ?リオレオ?


「…で、こいつは誰だ?」
「名前が連れてきた子だよ!雅治って言うんだ!」
「仁王雅治じゃ。」
「そうか。私はクラピカ………いや、ゴン。お前、今名前とか言わなかったか?」
「あ、そうそう!名前が帰ってきたんだよ!」


ゴンの言葉にクラピカと呼ばれた青年?はピキリと青筋が額に浮かぶ。


「……私はあのクソのところに行ってくる。」
「おいおい、待ってればすぐにくんだろ。あ、俺はレオリオだ。よろしくな、雅治。」
「お、おぉ。」


流れるように挨拶をしたレオリオに返事を返しつつ、俺は、早く名前ちゃんにあいたくてたまらなくなっていた。


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bkm
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