人形劇 15


『クロロ!』
「名前!」

ひしっ

「ねぇ、なんかイラつくからクロロの後頭部蹴っていい?」
「ダメだよ、イルミ。後で食事に毒を混ぜるくらいやってやらなくちゃ。」
「あぁ。そうだね。」


私とクロロが感動の抱擁していると、隣からヒソカとイルミがクロロ抹殺計画を建ててたけど、スルーしようと思う。

ちなみに雅治とキルアとゴンはどこかに行っちゃった。


『あのね!私、ちゃんとクロロとの約束守ったんだよ!ちゃんと勉強やってた!』
「…ふっ。おいヒソカ。カメラを持ってこい。」
「クロロ気持ち悪い。」
「ボクもイルミに賛成かな。」


クロロの腰に抱き着きながら上目遣いで笑いながら今までやっていたことを報告する。
そしたら、クロロはクールな顔のまま鼻血を出してていつものクロロだった。


『よかったー…本当に本物のクロロだー…』


そう思ったらなんかすごく安心して、クロロの腰に擦り寄った。
ずっとずっと何も分からない私を育ててくれた人。
大好き大好き。さみしかった。会いたかった。


「…泣いてるのか?」
『…だって、ずっとさみしかったんだもん。』
「可愛い可愛い可愛すぎる。俺の妹最強。」
「今の感動の雰囲気がクロロの顔で最悪だよ。しかも、名前は将来的に俺の義妹になる予定だから。」
「なに言ってるの?イルミは。名前は将来的にボクのお嫁さんだよ。」


ゴチャゴチャと三人が言ってる横で私はボトボトと涙を零す。
クロロたちから別れて三年間。
私、一人ぼっちでこの世界に取り残された。けど、最後の一年間は雅治がいたから一人じゃなかった。
でも、やっぱりクロロたちと逢いたくて一緒にいたくて、


『…あれ?でもなんでみんなはここにいるの?』
「今さらかい?」
「そんなドジな名前も可w「あぁ、それはクロロの念能力だよ。」…イルミ、俺のセリフを…、」


イルミの言葉にはて?と首を傾げる。
私の知る限りではクロロに異世界に行く能力なんてなかった。

いつのまに?


「お前のことをあっちの世界に連れてって殺そうとしたピエロがいただろう?」
『うん。』
「あいつはまだ生きてたんだ。たまたま俺たちと一緒にいたところをあいつに見られて、お前はこっちに戻された、というわけだ。」


クロロの言葉にふーんと頷く。
そこまで言われたらだいたい予想はつく。


『じゃ、そのピエロの念能力をクロロが盗ったってことだよね?』
「そうだ。その能力で俺たちがここに来たというわけだ。」
『ほへー。あれ…?そしたらクロロたちはかえっちゃうの…?』


クロロを抱き締めていた力をギュッと強める。

そしたら、クロロたち帰っちゃうのやだな。
ずっと、みんなと一緒にいたいな。


「いや…俺たちは帰らない。」
『ほんと…?』
「あぁ。もう俺たちはここの戸籍も盗ったしな。仕事も出来た。ずっと一緒だ。」
『良かった!クロロ大好き!』


ずっと一緒。
その言葉に私はすごく安心した。





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