バーンと私の目の前に佇むのはでっかいお屋敷。
「ここに旅団のみんなもゴンたちもゾルディックもいるよ。」
『でかーっ!!!すごーい!!!!』
「こんな屋敷あったんか…?」
「……話聞いてるのかい?」
ヒソカをスルーして私はキラキラとお屋敷を見る。
だってだってだって、すっごーーーくでっかいんだもん!学校とおんなじくらいある!
興奮していた私は知らなかった。雅治がこの屋敷を見て疑問に思っていたことを。
「ほら、クロロたちが待ってるから早く入るよ。」
『うん!はるちゃん、行こー?』
「おん…」
雅治の手をぎゅっと手を繋ぐと、私たちは屋敷の中へ入っていった。
「ただいま。」
「ヒソカおかえり!…ってなんでここにいるの?学校は?」
「おい、ゴン、今さらだろ。どうせセクハラでクビになったんだぜ。」
中に入るといたのはゴンとキルア。
本当にみんないるんだと実感して私は泣きそうになる。すると、そんな私に気付いた雅治が頭を撫でてくれた。
それに雅治の顔を見ると微笑んでくれてて、
なんだか勇気が出た。
「キルアはあいかわらず酷いね。僕のことをなんだと思ってるんだい?」
「変態」
「……まあ、いいy「っ、名前!!!」……」
二人の前に出ようか出ないか迷っていると、私に気付いたゴンがヒソカを押し退けて私に向かってきた。
『ゴッ、っっっ、』
「名前ー!会いたかったよー!!」
そのままゴンは私を抱き締めてきた。
けど、ゴンは強化系……!!力強すぎる……!
おかげで私の身体はミシミシと聞こえてはいけない変な音が聞こえる。
「お、おい、ゴン!おま、名前を見ろ!ぐったりしてるぞ!」
「へ?…わぁぁ!名前ごめんねぇぇえ!!」
『ん、だいじょーぶ、だいじょーぶ。』
にへら、意識が飛びそうになるのを耐えてゴンとキルアに笑いかける。
苦しかったけど、それより喜びのほうが大きくて。
私はやっぱりみんなが大好き。
『ふふー、私、二人に、みんなにずーっと会いたかったんだー!』
「俺たちもだよ!急に消えちゃって心配したんだから!」
「べっつに俺は心配してないけど。ただ、消えるならまえもって言っとけよな!」
『キルアツンデレ〜!』
「うっせ!」
ぷにぷにとキルアのほっぺたをつつきながらそう言うと、キルアにバシリと手をはたき落とされた。
キルアってば猫みたぁい!かーわい!
「ねぇ、名前!名前と一緒に来た人は誰なの?」
『…あ、』
雅治のことすっかり忘れてた。
そう思って急いで雅治を見る。
すると、雅治はなんだか泣きそうな顔で瞳を潤ませながらこっちを見ていた。
『はるちゃーん、あんまり泣かないでよー?ゴンたちは私の大事なんだから!』
「じゃが…」
『あはは!私は雅治のこと大好きなんだよ?ゴンたちと同じくらい!だから雅治は泣かないの!』
「お、おん。…俺も名前ちゃん大好きじゃ。」
『!ふふー、はるちゃん可愛いー!』
私よりだいぶ背の高い雅治をぎゅーっと抱き締める。雅治は焦ったようでどもりながら私の名前を呼んでたけど、そこも可愛かった。
「なぁ、お前ら俺たちのこと忘れてんだろ。」
『?私忘れてないよ?』
「そうかよ…」
キルアに首を傾げながらそう言うと、キルアは半分呆れたように一つため息を吐いた。
それにムッとしながら雅治から離れ、代わりに手を繋ぐ。
すると、ゴンがくいくいと私の服を引っ張った。
「ね、名前。結局誰なの?」
『ん?えっと、』
「仁王雅治じゃ。」
私がどうやって紹介しようか悩んでいると、隣から凛とした雅治の声が自分の名前を繋いだ。
「雅治って言うの?俺はゴン!よろしくね!」
「俺はキルアな。…で、名前とはどんな関係なんだ?」
『雅治と私は家族だよー!ゴンたちと一緒!』
にっこり笑って私がそう言うと何故か雅治はショックを受けたように、キルアは満足気に、ゴンは苦笑いをしてた。
?なんでみんなそんな反応違うの?
私がそんなことを思いながら三人を見てると、後ろから独特の声が聞こえた。
「それよりキミたちボクのこと忘れてるでしょ」
「「「『あ、』」」」
ヒソカのことすっかり忘れてた。
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bkm