私の靴箱に入っていた死体たちを素手で持って校舎裏に埋めたあと、ニマニマと笑いながら教室に向かう。
あ、私って虫とかネズミとか余裕なんだよね!
ほら、クロロたちといる時は虫もネズミも食べ物だったしね。あー懐かしいなぁ。
だからね、勝手に殺すのはいけないと思うんだぁ。
ガラッ
『はろはろはろー!さて、今日はね、お礼をしようと思いまーす!ふふー!私の靴箱に死体入れたのだーれだ!』
教室の扉を開けて歩きながら笑って問う。
私の念能力で見つければすぐなんだけどそれじゃあつまんないしね!
「気味悪い…なんで笑ってんだよ…」
「てゆうかさぁ!うちらのクラスじゃないかもしれないじゃん!被害妄想激しいんだよ!」
二人の言葉にニコニコ笑って近づく。
私が近づくと、一歩ずつ離れる二人。
なんだよー。傷付くなぁ。
『ふふー!確かにその通りだよね!疑ってごめんね!』
「ほ、本当だよ!ちゃんと謝れよ!」
『うーん…でもさ、』
一回区切ってにこーっと嗤う。
『キミたちが犯人じゃないって証拠もないよね?』
「ひっ…」
クスクスと嗤いながら言ってるのに短い悲鳴が聞こえた。
笑ってるのになー。
『ま、いいや!あ、でももし犯人が分かったら覚悟しててね?』
にっこりと嗤ってから私は自分の席に着こうと自分の席に向かう。
と、私の机には落書きがたーくさん。
『ふっ、あははは!面白い、面白いねぇ!面白いことやってくれてありがとう!』
私が無邪気に笑ってお礼を言うとみんなは何言ってるのコイツみたいな目で私を見てくる。
それにさらに笑みを深めて私は言葉を紡ぐ。
『…でもね、なんで私の雅治のことも悪く書いてるの。なに、雅治のレギュラー入りはペテンって。馬鹿にしてんの?なめてんの?上手いこと言ったつもり?全然つまんない。私はねぇ、楽しいことが好きなんだよね。でも、キミたちがそのつもりならいいよ。やってあげる。私のお人形になってくれる?』
ゾクリ、
教室のすべてが恐怖したのが分かった。
私はね、恐怖とかそーゆー感情に敏感なんだよ。
あぁ、私、怒ってるの。
フワリと嗤いながら手をあげる。
すると、後ろから誰かにその手を掴まれた。
「駄目だろ?こんなところで念を使っちゃ」
その声に覚えがあった。
でも、ここには絶対にいるはずのない声の主で。
だってだってだって、みんなは私とは違う世界の人で、もう一生逢えなくて、
「なんだい?久しぶりに逢えたのに挨拶もなしかい?」
『ひ、そか?』
「そうだよ。久しぶりだね。」
バッと後ろを振り返る。
そこにあったのは本当に本物の、
「僕の大切な名前、」
『ほんと、?』
「ほら、泣かないで。僕は本当にここにいるんだから。」
ゆっくりと手を下げてヒソカの頬に手を伸ばす。
ヒソカはそれを黙って受け入れてくれた。
『ほんとうだぁ。ほんとのヒソカだぁ。』
へにゃりと笑うと私はそのまま崩れ落ちた。
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bkm