人形劇 11


仁王ちゃんと手を繋ぎながら私は学校に行く。


『ね、仁王ちゃん!今日はどんなイジメがあるかなぁ?』
「名前ちゃんが傷つかんならなんでもええ。」


そう言って握っている手にぎゅっと力を込める仁王ちゃんをキョトンとした目で見て、にぱーっと笑った。


『仁王ちゃん好き!』
「なっ、な、なななななに言うとんじゃ、?!」
『?あっ!そう言えばね、今日は体育あるんだぁ!どんなことされるのかな?女の子ってちょっとねちっこいからなぁ。』


ふふふ、と笑いながら仁王ちゃんにそう言うと真っ赤にしていた顔から一変、呆れたように私を見る。
てゆうか絶対呆れてた!だってため息吐いてたし!!

私がそれにプリプリしていると仁王ちゃんはハッとしたような顔をした。


『?どうしたの?』
「そういえば、なんで名前ちゃん雅治って呼ばないんじゃ?」
『えー?だって仁王ちゃんの方が可愛いもん!』


私が笑いながらそう答えると、仁王ちゃんは泣きそうに笑っていた。


『……んー。早く行こ!雅治!』
「!名前ちゃん…!」


私が名前を呼んだだけでパァアっと顔を輝かせる仁王ちゃんの将来がとても心配になりました。まる。


そんなこんなで学校に着いて私が自分の下駄箱を開けるとアラ、不思議。


『きゃぁぁぁあ!!!!すごぉぉぉおおい!!!!!!』


そこにはミミズやらネズミの死体やらがたーくさん。


「名前ちゃん???!!!!」
『あ!はるちゃんはるちゃん!!!!見てコレ!!!!!イジメだよ!!!!イジメ!!!!』


私はそう言って興奮したように手をブンブンしながらはるちゃんに話す。


「名前ちゃん興奮しすぎじゃ。あと、はるちゃんってなんじゃ。はるちゃんって。」
『だってこんなの初めてなんだもん!!!!!あ、はるちゃんってゆーのは、雅治のあだ名だよー!!!』
「……あだ名多すぎじゃ。」


雅治のその言葉にふふーと笑う。
今の私は何を言われてもへこたれないんだからね!!!!


「で、どうすんじゃ。これ。」
『うん、と、捨てて来るね!!!なんか今日は期待出来そう!!』


ルンルンとしながら雅治に言う。
楽しみだなぁ。どんな虐めやられるんだろ?
あ、でも雅治に迷惑かかるのは駄目だなぁ。
ま、もしも雅治に迷惑かかったら潰そーっと。

頭の中でそんな真っ黒な考えに辿り着きつつも、私はニコニコと笑った。



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