最強なーう。 7


「ごめん…、」
「別に…」
『どうでもいいから私を助けてくれたまへ!』


蜜柑ちゃんが流架くんに謝るのはいいことだと思うよ?とっても。
でもさ、私がまだ抱き締められたままなんだけど!
私のことはみんなスルーなの?それでいいの?


「…そうだ、蜜柑。」
『え?本当に私はスルー?スルーなの?』
「大丈夫。俺は名前のことちゃんと見てるから。」
『大丈夫じゃない、だ、と…?』


そんな明るい笑顔でストーカー宣言されて私にどうしろっていうんですか!せんせー!
名前ちゃん涙目だよ!

私が流架くんからストーカー宣言を受けてショックを受けてる横で蛍ちゃんと蜜柑ちゃんの話は進んでいく。
蜜柑ちゃんを慰める委員長かわいー!


「あ、」
『へぁっ!』


委員長の言葉で流架くんに隙が出来たので私は逃げた。私が逃げたあとの流架くんの目がすごい怖かった。泣きたいくらい怖かった。
駄菓子菓子、逃げないと私が危なかった。
どうするの!このまま監禁されたら!
監禁エンドとかバッドエンドだよ?!

流架くんは私をチラッと睨んだあと、委員長が見たところに目を向ける。


「あ、棗。」
『なっつめくーん☆私の救世主だね!』


流架くんから逃げ出したあとは、棗くんの後ろに隠れた。
棗くんがいると流架くんおとなしいからね☆
棗くんマンセー!


「あ…」
「流架、名前帰るぞ。ゲームは終わりだ。」
『へ?ちょ、』


棗くんはそう言って私を俵担ぎにする。
え?なんで私まで帰らせられるの?


「ちょ…」

ガシッ

棗くんに詰め寄ろうとした蜜柑ちゃんは棗くんに前髪を掴まれて木に押し付けられる。
ちなみに棗くんは片手で私を俵担ぎしたままだよ!
棗くんちっからもちー!


「…俺の作ったルール無視して、あまつさえ流架と名前を利用して、なめたまねしてんじゃねぇぞ。」
『え?私利用されてないんだけど!さらに言えば私を下ろしてほしいーなぁ…なーんちって☆』


私が下ろして発言をした途端に、私のお腹に爪を立てる。
やだ、この子も危ない。
あと流架くんが黙ったままなの恐い。


「…名前。俺は俺の敵と逆らう奴には容赦しない。もちろん、名前を傷付ける奴もな。」
『現在進行形で私を傷付ける奴が何を言う。』
「あ?」
『なんちって☆』


本当のこと言っただけなのに睨まれた。なんでだ。
てか、棗くんは私のこと重くないのかなぁ?
誰かへるぷみー。


「汚い手でゲームを終わらせたのはこいつだ。もうこいつの正体を暴くのにいちいち手段選んでやるつもりはねぇよ。」
『そこは穏便にいこーよー。』
「あー…」

ボンッ

蛍ちゃんがポケットから何かを出して爆発させた。
何かは煙を撒き散らす。
その時に、蜜柑ちゃんが一瞬の隙をついて棗くんを押し返した。
それと同時に棗くんはバランスを崩して私は転げ落ちる。


『いだっ、』
「あ、名前。やっと俺のとこに帰ってきてくれたんだね。」
『ふぉっ、』


なんで私は流架くんに抱き締められてるのかなぁ…

ボッ

私がそんなことを考えていると、炎が委員長を襲った。


「とっとと吐け。お前のアリス。」
『いいんちょー!私の癒しがぁ!』
「名前の癒しなんて俺だけでいいでしょ。」


横で私を抱き締めながらそんなことを囁く流架くん。やだ、危ないわわわ。
しかも、棗くんはさらに蛍ちゃんを炎で囲んだ。
やだ、蛍ちゃんにこんなことしたら…!


「名前!」
「流架!名前!」


私は蛍ちゃんといんちょーのもとに走った。
蛍ちゃんにこんなことしたら、私が怒られるじゃないか…!


「火止めろバカ!」
「っこの…、」
「あぶな…」

とてん


はい。蜜柑ちゃんのアリスはっけーん。


『蜜柑ちゃんおめでとっ☆』
「へ?」
「今、棗、確かに強い力を…、」


私はみんなが惚けてる横でサッと蜜柑ちゃんに駆け寄り蜜柑ちゃんを抱き締めた。





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