泰然自若 2


「酢乙女、」
『はい?どうかしましたか?』
「これをクラスまで頼めるか?」
『ええ。わかりました。』
「悪いな!助かった!」
『ふふ、大丈夫ですよ』


なんて、言うわけねー!
重いんだよ!女の子にこんなの持たすな!

中学生になってあいちゃんと離れた私は大いにやさぐれていた。
だって二年!二年もあいちゃんと会ってないんだよ?!ほんとありえない!!
これもぜーーーんぶ景吾のせいだよね!ムカつく!


『本気で(本気と書いてマジと読む)景吾ハゲればいいよ。』ぼそっ
「アーン?」
『あら?跡部さん、どうしましたの?眉間に皺がよっていますよ?』


近くにいたらしい景吾が青筋を立てて眉間に皺を寄せながら凄んできた。
私はそれに対し、にっこり笑いながら対応する。
さすが私。どっからどうみても大和撫子!
まあ、周りには景吾と宗くんしかいないんだけど!


「(イラッ)テメェ…後で覚えとけよ」
『あれ?宗くん持ってくれるの?ありがとー!宗くんはいい子だねー。きっといい奥さんになれるよ!』
「ウス…」
『あれ?景吾なんか言ったー?』


私が重そうな荷物を持ってると、宗くんが私の荷物を持ってくれた。さっすが紳士!料理もうまいし、わがままを黙って聞いてくれるしきっといい奥さんになれるよ。
景吾の話はあえての無視です。


「はぁ…お前はなんか俺に恨みでもあるのか?」
『え、うん。』
「………………」


私が首を縦に振ると景吾は石化したみたいに固まった。
やだ、かーわーいーいー!


『あははー、嘘だって!そんなにショックそうな顔しないの!』
「!ふ、ふん!当たり前だ!」


ツンデレ可愛いー!馬鹿の子だぁー!
私、景吾のこと嫌いじゃないよ!ぶっちゃけ転生するまでこの厨二とか思ってたけど、小さい頃とかほんっと可愛かった!なんか弟的なね!


『あ、宗くん荷物ありがとね!教室持ってくから大丈夫だよ。』
「いや、今から名前に用事がある。樺地、持っててやれ。」
「ウス。」
『えー、景吾の話って長いからめんど「跡部ー」わかりました。では、先に生徒会室に行っていますね。』
「あぁ。」


途中で景吾を呼ぶ声がしたので大和撫子verに切り替える。
あっぶなー。声が聞こえなかったらバレてたわ!
たぶん、あの声は向日岳人。ということは、忍足侑士もいるんだろうなぁ。
景吾に背を向けて歩きながらそんなことを考える。あ、私、未だにテニプリキャラと面識ないから。面識あんのは景吾と宗くんだけー。クレしんキャラなんてあいちゃんだけだけどね!私のあいちゃんマジ天使!

あいちゃんの事を考えながら生徒会室に向かっていた私は景吾たちが話している内容なんて知りませんでした。くそっ!知ってたら回避できたのに…!


「酢乙女さんやん。景ちゃん仲良かったんか?」
「まあな。それより、景ちゃんって呼ぶんじゃねぇ。」
「酢乙女ってなんか近寄り難いよな。いつも敬語だし!」
「…………(いつものシスコン名前を想像中)」
「でも、足ごっつ綺麗やで。一回触らせて欲しいわぁ。」
「侑士マジ気持ち悪ぃ。」


変態フラグとかマジ勘弁!


prev next

bkm
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -