なんで牧場……?
あれ?あれ?ってか、ここって河川敷じゃない?
ま、まさかの…!
ホームレスだ、と……?
え?でも、こんな美人さんが?
「入らないのかしら?」
『あっ、は、入ります!』
こて、と首を傾げる美人さんの言葉に慌てて反応して私は中に入る。
美人さんはホームレスでした。
中に入って数分後。
私は美人さん、もとい、マリアさんを大好きになっていました。
だってだって、マリアさん優しいし、美人だし、いい匂いするんだもん!
もう大好き!!
ニコニコと私が笑っているとマリアさんは私の頭を撫でてくれた。
「かわいいわね…!」
『?なにがです…「マリアー!」…!!!』
マリアさんの言葉がよく分からずに聞き返そうとすると、マリアさんの名前を呼ぶ知らない人の声。
私は思わずマリアさんの後ろに隠れる。
だって知らない人恐い。
「マリアー卵をくれないか?」
『魚…』
知らない人が持ってたのは魚だった。
魚…!そういえばお昼食べてない…!
じーっと魚を見ていると女の子と目があった。
私は慌てて目を反らす。
その後に、ちょっと時間が立ってからそーっとマリアさんの後ろから顔を出すと女の子はマリアさんの目の前にいた。
『!』
「…魚食べるか?」
『ふにっ、で、でも…』
チラチラとマリアさんの顔を見る。
知らない人から何か貰っていいのかな?
「あら。折角だから貰ったら?」
『う、うん!食べる!』
「よし。焼いてやる。」
そう言った女の子に着いて行く。
えへへー!お魚って私の大好物なんだよねっ!
「あ、そうそう。」
『?』
「確か家がないのよね?」
外に出ようとすると、マリアさんに呼び止められたので振り向く。
すると、家がないことを確認されたので、ちょっと渋りながらもコクリと頷いた。
「じゃあ、ご飯を食べる前に村長に会いに行きましょう?」
『?なんでですか?』
「ここに住むには村長から許可を貰わなくちゃ行けないのよ。…ニノ、私たち村長のところに行ってくるから後で魚を持ってきてくれる?」
「あぁ!任せろ!」
ニノ、と呼ばれた女の子はマリアさんに元気よく答える。
マリアさんは私の手を引いて「さ、行きましょう」と言うと、私が走ってきた道を戻って行った。
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bkm