ホイヘンスの原理 9


『ん…』


トロンとしながら目を覚ますと、私は何故だか鳥さんの太ももの上で寝ていた。
いわゆる膝枕だね!
でも、あれ?私、鳥さんの太ももの上で寝てたっけ?

上を見上げると、整った顔をした鳥さんが寝ていた。

わぁー…鳥さんって綺麗だなぁ。
凪とおんなじくらい綺麗。

じーっと鳥さんの顔を観察していると、鳥さんの目がパチリと開いた。



『鳥さんおはゆー!』
「……見過ぎ。」
『?』


私の顔をジッと見ながら鳥さんは不機嫌そうな声色で言う。
見ちゃダメなの?なんで?綺麗なのにー?
目で訴えると、鳥さんは呆れたように一つため息を吐いた。


『鳥さん鳥さん!ため息吐くと幸せ逃げちゃうんだよ!鳥さんの幸せ逃げるよ!』
「……とりあえず退いて。それと、僕の名前は恭弥だから。」
『えー!鳥さんの太もも気持ちいいのにー!あと、鳥さんじゃダメー?』


鳥さんの太ももの上で鳥さんの腰をぎゅーっとしながら聞く。
すると、鳥さんはとっても呆れ返ってた。


「普通は男の腰に抱きついたりしないから。あと、次に鳥さんって言ったら咬み殺す。」
『そんなことないよ!私、凪にもやってるもん!でもさ、鳥さんが駄目ならなんて呼ぶの?』


グリグリと鳥さんのお腹に頭を押し付けながら聞く。
いっつも凪にやってるけど凪は頭撫でてくれるもんね!


「ソイツは男なの?あと、普通に呼べばいいでしょ。」
『凪は女の子だよ!優しいよ!えー…恭弥って呼んでいいの?…あ!恭弥さん?』


二つのことを一度に話すのって難しいなぁ、と思いながら私と鳥さんは話しを続ける。


「男と女じゃだいぶ違うから。さんはいらない。恭弥でいい。」
『うーん…じゃ、今度から凪と恭弥だけにすることにするね!』


うん。これで結果オーライ!
万事オッケー!解決なり!
だから、私は恭弥がため息を吐いてたことは知らないよーぅ?

ちなみに、そのあと満足した私がそのままの体制で眠りに入ろうとしたら、今まで大人しくしてたアゲハに尻尾で持ち上げられて、結局私は恭弥の膝枕で寝ることは叶いませんでした。まる。


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bkm
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