ホイヘンスの原理 8


『で、パインさんは私に何の用ですかー。私忙しいんですー。とってもとっても忙しいんですー。』
「そう急かさないでくださいよ。僕にも心の準備っていうものが…」
『この人めんどくさい。』


にっこり笑いながらパインに毒を吐いてやった。
心の準備ってなんだよーぅ!
パインは脳みそもパインなのか!


「クフフ…用とはですね、私の仲間になってくだs『やだ!』なんでですか?!」


パインの言葉を遮るように言うと、パインは私の顔にグイッと自分の顔を近づけてきた。
それを押し返しながら私は答える。


『だってパイナップル嫌いだから!』
「僕はパイナップルじゃありません!」
『まあそれは冗談で〜、ほんとは遊ぶ時間減るから!』


にっこぉと自分の中の最上級の笑顔でパインに言う。


「…なんで時間が減ると?」
『んっと、パインはアレだよね。なんか危険な人だよね?そんな人の仲間になったら遊ぶ時間が減っちゃうじゃんか!私はねー楽しいことが好きだから、パインの仲間はやだ!』


きっとパインは危ない人。
だってそうじゃなきゃ人の夢の中に入れるわけないもん!
私だって馬鹿じゃないんだよぅ?
ここが夢の中ってことぐらい気付いてるよーぅ!


「…クフフ。やっぱり貴方は面白い人だ。」
『ほんとーぅ?ありがと!褒められて嬉しい!私ね、パインの仲間はヤダけどお友達にならなってあげるよ!たまになら遊んであげる!』
「!…それは嬉しいですね。これからよろしくお願いしますね。名前。」


綺麗なオッドアイで微笑むパインは綺麗だけど、全然つまんない笑い方だった。
なんてゆーか…ロボットみたいな?機械的ってゆーか、感情が籠ってないってゆーか。

……まっ、いっか!


『よろしくね!パイン!なんで私の名前知ってんだ、ストーカーかコノヤローって思ったことは友達になったから心の中に秘めておくね!』
「秘められてないですよ?!」


そんなパインの叫びをスルーする。
だって本当のことだしね!
私、友達に隠し事はよくないと思う!

そんなことを考えていると、何処からか私を呼ぶ声が聞こえた。


『……とりあえず、私起きるね!鳥さんの声聞こえるし!バイバイ!パイン!』
「ええ。また。」


手を振るとパインも小さく振り返してくれる。
それになんだか嬉しくなりつつ、私の身体は消えていった。
最後にパインがなんか言ってた気がするけど、私には聞こえなかった。


「僕の名前は六道骸ですからねー!!!」


パインの名前なんて聞いてないよーぅ!



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bkm
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