『で、パインさんは私に何の用ですかー。私忙しいんですー。とってもとっても忙しいんですー。』
「そう急かさないでくださいよ。僕にも心の準備っていうものが…」
『この人めんどくさい。』
にっこり笑いながらパインに毒を吐いてやった。
心の準備ってなんだよーぅ!
パインは脳みそもパインなのか!
「クフフ…用とはですね、私の仲間になってくだs『やだ!』なんでですか?!」
パインの言葉を遮るように言うと、パインは私の顔にグイッと自分の顔を近づけてきた。
それを押し返しながら私は答える。
『だってパイナップル嫌いだから!』
「僕はパイナップルじゃありません!」
『まあそれは冗談で〜、ほんとは遊ぶ時間減るから!』
にっこぉと自分の中の最上級の笑顔でパインに言う。
「…なんで時間が減ると?」
『んっと、パインはアレだよね。なんか危険な人だよね?そんな人の仲間になったら遊ぶ時間が減っちゃうじゃんか!私はねー楽しいことが好きだから、パインの仲間はやだ!』
きっとパインは危ない人。
だってそうじゃなきゃ人の夢の中に入れるわけないもん!
私だって馬鹿じゃないんだよぅ?
ここが夢の中ってことぐらい気付いてるよーぅ!
「…クフフ。やっぱり貴方は面白い人だ。」
『ほんとーぅ?ありがと!褒められて嬉しい!私ね、パインの仲間はヤダけどお友達にならなってあげるよ!たまになら遊んであげる!』
「!…それは嬉しいですね。これからよろしくお願いしますね。名前。」
綺麗なオッドアイで微笑むパインは綺麗だけど、全然つまんない笑い方だった。
なんてゆーか…ロボットみたいな?機械的ってゆーか、感情が籠ってないってゆーか。
……まっ、いっか!
『よろしくね!パイン!なんで私の名前知ってんだ、ストーカーかコノヤローって思ったことは友達になったから心の中に秘めておくね!』
「秘められてないですよ?!」
そんなパインの叫びをスルーする。
だって本当のことだしね!
私、友達に隠し事はよくないと思う!
そんなことを考えていると、何処からか私を呼ぶ声が聞こえた。
『……とりあえず、私起きるね!鳥さんの声聞こえるし!バイバイ!パイン!』
「ええ。また。」
手を振るとパインも小さく振り返してくれる。
それになんだか嬉しくなりつつ、私の身体は消えていった。
最後にパインがなんか言ってた気がするけど、私には聞こえなかった。
「僕の名前は六道骸ですからねー!!!」
パインの名前なんて聞いてないよーぅ!
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bkm