ホイヘンスの原理 6


『ワカシャモ!かわして体当たり!』
「ーー!」
「そんなの当たらないよ。本気出してよ。」


蓮は学ランの人をかわして体当たりを繰り出すけど、学ランの人は結構素早い。
うーん。バシャーモになるしかないかなぁ?
そんなことを考えている間に蓮に学ランの人の技が当たった。


『ちっ、ワカシャモかげぶんしん!』
「ーーー、」
「な、」


かげぶんしんで学ラン男の周りを蓮がぐるぐると回って混乱させる。


「…来ないなら僕から行くから。」
『…よし!今だよ!ブレイズキック!』
「ーーー!」


学ラン男がかけぶんしん中の蓮に殴りかかろうとしたのを見計らったのを見て私は蓮に命令を出した。


「っ、」
『よし、そのまま馬乗りになっててね。』
「ーー。」


こくりと蓮が頷いたのを見て私は二人に近づく。
はぅー。久々のバトルは疲れた。


『あのーぅ。えーっと、この子たちのこと誰にも言わないでほしいなー?』
「はぁ…分かったからコレどかしてくれない?」
『えー、もし学ランさんが私に襲いかかって来たら危ないじゃんかー。』


口を尖らせて学ランさんに言う。
すると、学ランさんが大丈夫って言ったので蓮をアチャモに戻した。


『蓮れーん!ありがとーう!楽しそうだったネ!』
「ーー!」


蓮はそうとう楽しかったみたいだ。
ぴょんぴょんとジャンプしながら喜びを表現する。


「そこ、僕の上なんだけど。」
『あ。ごめんなさーい。んで、んでね!学ランさん!この子たちのことは言わないでネ!』


蓮を学ランさんの上から退かすと学ランさんは起き上がって不機嫌そうに私を見る。


「学ランさんって誰。」
『だって名前知らないもん。』


学ランってことは風紀委員会なんだろうけど!
名前まで知るはずがないよね!


「雲雀恭弥。」
『へ?』
「僕の名前。」
『ふーん。じゃあ、鳥だね!鳥!鳥さんって呼ぶよ!蓮と同じだって!よかったねー!』



何か言いたげな鳥さんを無視して蓮を抱き上げてクルクルと回る。
すると、何を思ったか蓮は私の腕から抜けると鳥さんの近くによって擦り寄った。


「?なにこれ。」
『そっかー!気に入ったんだ!良かったね!蓮!今度から一緒に遊んでもらえるね!』
「は?ちょっと待ってよ。」
『なぁにー?』


こてり、と蓮と一緒に首を傾ける。


「誰が、いつ、コレと遊ぶって言ったの。」
『え?私と蓮が。あ、蓮はコレじゃなくて蓮って言うの!そこんとこ間違えないでね!』
「ーー!」


私の言葉にコクコクと蓮も頷く。
すると、私と蓮以外の手持ちが鳥さんに近づくとみんな一様に手でぽんぽんと憐れんだようなそんな目で鳥さんを叩いた。

…なぜ?


「いつもあの二人はそうなの?」
「ーー、」
「……そう。君たちも大変なんだね。」
『どーゆー意味だよーう!てゆうか、なんであげはは諦めたように頷くのー!』


今日はお友達が出来ました。
でも、なんだか馬鹿にされた感がするんだけど!


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bkm
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