お腹が満腹になったところでゴロンと寝転んだ。
『んぁー、お腹いっぱぁい!』
「ーー」
『ちょ、鋼ー重たいってー』
お腹がいっぱいでパンパンの私の上に鋼がのっそりと乗ってきた。
重い、って言ってるのに鋼は私の声が聞こえていないのか、あえて無視なのか分からないけどのんきに欠伸なんてしてる。
…あれ?私って馬鹿にされてない?
いやいやいや、違うよね!私、馬鹿にされてないよね!
『馬鹿に、されてないよね…?』
「ーー、」
『なんで目を反らすんだよーぅ!』
逸らされた!
いろはに目を反らされた!
『私、馬鹿じゃないもん!』
ガチャリ
「『………………』」
私が叫ぶようにそれを言ったところでガチャリと屋上の扉が開く音。
それに反応して扉を見ると、アラびっくり。
学ランを着た綺麗な黒髪で目付きの悪い少年が。
『………(名前なんだっけ?)』
「………………」
「『……………………』」
あ、手持ち出しっぱなしだった。
頭が回ってくると、今の状態がひっじょーにマズイことに気が付いた。
…よし、帰ろう。
『あげは、ここから降りるよ!蓮、小鉄、鋼は私の腕の中に!いろははあの人に電磁波!』
「ーー!」
「っ!な、」
『よし!このままお家帰ろー!』
そう言って、あげはの上に乗るとあの人が確認して屋上から飛び降りた。
その時に彼が私のことをおもいっきり睨んでいたのと目が合って、思わず蓮の火の粉を浴びせてしまったのは秘密である。
???Side
ボロボロの学ランをぱんぱんと叩いて懐から携帯を取り出すと、通話ボタンを押す。
「はい、委員長なんでしょうか?」
「草壁、今日五時間目からいなくなった女子生徒を調べて。それから、新しい学ランも持って来て。」
「はい、わかりま ピッ
草壁の返事が終わる前に通話を終了させる。
それから空を見上げると久々に愉しませてくれそうな人物が現れたことに口を歪ませた。
その頃の名前ーー
『あ!凪のためにお菓子作ろーっと!』
「ーー…」
「え?なんであげはにため息つかれるの?おかしくない?」
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bkm