肩にはスクールバッグ、腰にはモンスターボール。
『じゃ、行ってきまーす!!』
ガチャリと誰もいない部屋に鍵をかけてから私は家を出た。
私の両親は死んでるわけでも、私を嫌ってるわけでもない。
ただ、なんだか忙しいようでイタリアに出張してるらしい。
まぁ、私はお父さんたちがどんな仕事してるか知らないんだけどネ!!!
お父さんとお母さんは、好き。
子供らしくなかった私を普通の子供たちと同じように愛してくれたから。
だから、迷惑をかけたくなかった私は凪ちゃんと同じ学校には行かなかった。
凪ちゃん家はお金持ちだしね!!
『ありゃ?』
そんなことを考えながら学校に向かっているとすぐに学校が見えてきた。
でも、校門の目の前には厄介なのがいました。
『今日って頭髪服装検査なんだぁ…』
こりはまずい!!!
周りに誰もいないのを確認してから路地裏の方へ駆け込む。
そこで腰についてるモンスターボールの一つをポイっと投げた。
《ーー?》
『あげはー!おはゆー!!あのね、ちょっと先に学校に入っててくれない?今日頭髪服装検査あるの忘れてたぁ!!あ、誰にもバレないようにね?よろしくなのだ!!』
《…ーー。》
呆れたようにこくりと頷いたあげははいい子。
でも、そんな呆れた目で見なくてもいいと思います!!
あげはにバイバイしてから私はるんるんしながら校門の方に向かった。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
無事に頭髪服装検査も抜けられて私 in クラス!!
あげはたちにはお昼まで屋上に行ってもらってます。
『おはゆーございまーす。』
「ひーちゃんおっはよー!!!」
『ないとーくんおはゆー。朝から今日も今日とてウザいね!!』
私が教室に入ると内藤くんが話しかけてきた。
うざかった。
ので、素直に口に出した。
「またまた〜!ひーちゃんは素直じゃないねー!!今流行りのツンデレ〜?」
『私がツンデレだとしたらきっと内藤くんにだけだね!!それにデレはない。』
真顔で言ってやりました。
内藤くんは私の言葉を聞いてもヘラヘラしてた。
なんだー。ただのどえむかぁー。
まだなんか喋ってる内藤くんをスルーしつつ席に座る。
私の席は窓際の一番後ろなんだぜ!!いいだろー!!
席に座ってちらりと外を見ると野球部の人気者の人と目があった。
名前は知りませんな。うむ。
『?………!』
なんて爽やかに笑うんだ…!
なんか負けた気がしてムカついたのでカーテンを閉めてやった。
「あ、閉められた。」
「山本なにやってんだ?」
「んー、なんでもないのなー。」
「じゃ、さっさと教室行こうぜ!」
「おー」
モテモテな男の子なんて嫌いだい!!
早く凪ちゃんとあげはたちに会いたいなぁー!!
そんなことを頭で考えていた私は人気者がちらりと私の見える窓を見て妖しく笑ってたのは知りませんでした。まる。
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bkm