泰然自若 13


私の目の前にいるのは顔をこれでもかってくらいに赤くした小さい頃に見ていた大人気アニメの主人公。

……可愛い。
もうこれはやるしかないね!!!


『かーわーいーい!!!!!!ちょ、あいちゃん聞いた?!可愛くない???!!!!!ときめくよー!!!!!お嫁さん?むしろ、しんちゃんにお嫁さんに来て欲しいぃぃぃぃい!!!!!!』
「お姉様、落ち着いてください」


私の膝の上に乗って私のほっぺを叩くあいちゃんも可愛いぃぃぃぃい!!!!!
ここに天国があったのですね!!!分かりますぅぅぅうう!!!!


「名前さん、オラのお嫁さんになってくれない…?」
『っっっっ!よ、喜んで!!!!』
「お姉様?!」
『あ、あまりにもしんちゃんが可愛くて☆』


上目遣いにちょっと弱気なその潤んだ瞳。
完璧だね!
思わず鼻血が出そうになりました。まる。


「お姉様…景吾お兄様に怒られてしまいますわよ?」
『え?景吾?なんで?』
「……景吾お兄様可哀想…」
『え?あいちゃんどうしたの?』


ぼそりと言ったあいちゃんの言葉は聞こえなかった。
まあ、それはおいといて。
私はしんちゃんと向き合う。


『でもね!しんちゃん!しんちゃんのそれはちょっとした気の迷いだと思うの!!!!ほら、しんちゃんはまだ五歳だし、ネネちゃんもあいちゃんも将来いい女になると思うし…』
「………」
『あ!でも、あいちゃんは渡さないから!むしろ、ネネちゃんとあいちゃんには私のお嫁さんになってほしいな!』


顔を真っ赤にするあいちゃんとネネちゃん可愛いぃぃいいい!!!!!!!
マジで私が養おうかしら。


「違う!!」
『………へ、?』
「オラは、オラは本当に名前さんのことが好きなんだって!」
『……おやまぁ。』


マジでおやまあ、としか言えないね!
私がぽかんとしていると、近くにいたあいちゃんがズンズンとしんちゃんに近づく。


「しん様!しん様はお姉様をずっと愛せますの?それにお姉様には景吾お兄様がいますのよ!!」
「オラの気持ちは本物だゾ!けいごお兄様?なんかに負けない!」
『いや、あの…』
「「名前お姉様/さんは黙ってて下さい!」」
『………はい。』


やだ。なんだろう。この迫力は。
私たちが呆然としてる間にもあいちゃんとしんちゃんの争いは続いていく。
てゆうか、景吾は関係ないと思うのよね。うん。


『……ネネちゃん、トオルくん、ボーちゃん、マサルくん。ベッドで寝よっか。』
「「「「…はーい」」」」


私は四人をベッドに連れて行くと、川の字になって寝ました。まる。





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