そしてシャルナークとフェイタンに連行されてきたのは広いリビングのような部屋。
そこには蜘蛛が全員揃っていて私たちが着いたとたんにぎょろりとみんなが私たちを見た。
『ふ、ふ、ふぇぇぇぇぇぇえん!!!!!ヤダヤダヤダヤダ!!!!離してくださいぃぃい!!!私、帰るんですぅぅう!!!!』
「……なんだそれは。」
「拾たね。泣き顔がいい。」
『?!むにゅっ、』
そう言ってフェイタンはイヤイヤと首を振りながら叫んでいる私の顔を固定して私をみんなに見せるようにしている。
シャルナークはそんな私を見て笑いを堪えてるみたいだけど全然堪えられてない。
そして私は、私を凝視する蜘蛛によって目からボロボロと涙を出す。
これってどんなイジメなの?
「まあ、確かにイジメがいのある顔してっけどよぉ…そろそろ離してやったらどうだ?」
そんな時に聞こえた神様のような声。
てゆうか、実際に私には神様のような後光がフィンクスに見えた。
私はキラキラとした目でフィンクスを見る。
服とかダサい!とかヘタレ受けだよね!とか思っててごめんね!
「フィンクスは黙てればいいね。」
「なんでだよ。」
「で、フェイタンはこれをどうしたいんだ?」
フィンクスをスルーしてフェイタンに私を指で指しながら聞く団長。
くそっ、団長なんか髪おろすと童顔なミルキーフェイスなくせに!
「ワタシのペットにするね。」
『??!!!』
「ダメだ。」
フェイタンの言葉にデジャヴを感じつつ驚く私。
そしてフェイタンの言葉に即答するように返した団長を見て期待する目で見る。
さっき団長の悪口言ったの撤回ね!めっちゃいい人だった!
「どうせなら蜘蛛のペットにしよう。」
『………むゃぁぁあぁぁああ!!!!!』
ダメだった!ダメだった!
まともな人がいなかったぁぁぁぁああ!!
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bkm