人形劇 8


「…仁王、谷津原、」
『んん?なぁに、柳くん!』


私が仁王ちゃんと笑いあってるところを邪魔するように来たのは柳蓮二。
私、柳って苦手なんだよね!
だって私の過去めっちゃ調べてさぁ。
まあ、別にいいんだけど!


「今日はもう帰れ。」
『ふーん。まっ、別にいいよ!今日は仁王ちゃんに話しがあったしね!あっ、部室裏にでもいる夏岡さんにさ、明日から楽しみにしてるね!って言っておいてね!あはっ、じゃ仁王ちゃん帰ろー!』


みんなの驚いたような化け物を見るような視線を無視して私は仁王ちゃんと手を繋いでテニスコートを後にした。


「名前ちゃん…ごめんなぁ……」
『仁王ちゃん、次にそんなこと言ったら怒るからね!』
「……おん」


そう言ってふにゃっと笑う仁王ちゃんは可愛かったです。



*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


とゆーわけで家に帰ってきた私たち。
なんか今日はいろいろあって疲れて眠いなぁ。


『そんなわけで私お昼寝するねー!』
「ちょっと待ちんしゃい。」


私が寝ようとして寝室に戻ろうとすると仁王ちゃんに腕を引かれた。


『なぁに?』
「話してくれんのか?」
『あ、忘れてた!んん、じゃあ、今から話すから座って座ってー!』


そう言うと私は仁王ちゃんをリビングにあるソファーに座らせる。
その隣に私も座る。


「ちょ、なんで俺の上に座るんじゃ!」
『えーだってだって、この話すると寂しくなるんだもん!』
「しょ、しょうがないのぅ…」


仁王ちゃんの許可を貰ったので私は仁王ちゃんの上に座る。
うんうん。懐かしい!
クロロの上に座ってるみたい!


『じゃあ、話すねーーー』


一息ついてから私は仁王ちゃんに私の話の大前提でもある大切な話をする。


『んっとねー、仁王ちゃんって大阪の方であった誘拐事件って知ってる?』
「ん?あれじゃろ?確か俺らと同い年くらいの子供が突然いなくなった事件。それって俺らが子供の頃の話だった気がするんじゃが…」


仁王ちゃんの言葉にこくりと頷く。


『そうだよ。確かー…私たちが五歳くらいの頃の話。』
「やっぱりか。でも、その話が名前ちゃんのこととどう関係あるんじゃ?」


それは私がまだ幼い頃の話。


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bkm
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