人形劇 7


私が仁王ちゃんと一緒に部活に行ったとたんにたくさんの目が私たちを見る。


『あはは!見てるねぇ、仁王ちゃんはだいじょーぶ?』
「大丈夫じゃ。名前ちゃんと一緒じゃからな。」
『仁王ちゃん……』


私がいなくなったらこの子ほんとにどうするんだろ?
…考えちゃダメだよね!
私はたくさんの視線を無視しながら仁王ちゃんの手を引いて部室まで向かう。
と、私の目の前に何かが立ちはだかった。


『丸いくんじゃーっま!』
「丸いじゃねぇ!丸井だ!」
『……突っ込むとこそこなんだ。』


ちょっとふざけたら違うとこ突っ込まれてびっくりした。
てゆうか、丸井と丸いの違い分かるんだー。


「そうじゃねぇ!なんで谷津原が仁王なんかと一緒にいんだよ!」
「っ、」


仁王ちゃんは丸井のその言葉に傷付いたように顔を伏せる。
それを横目で確認してから私は丸井に向き合ってからにっこりと笑いかける。


『みんなしつこいんだねー!』
「なっ!」


にっこりと笑った私の言葉が意外だったのか丸井以外の部員も驚いて私を見た。


『あはは!おもしろーい!これ!これなんだよね!私が楽しみにしてたのって!クロロたちが楽しみにしてたのと違うんだけどさ!でも、私にとってはスリルが楽しみになんだよね!あはははは!』


くるくると狂ったように、壊れたように嗤う私に引いたのか丸井は私から距離をとる。
仁王ちゃんはそんな私に対しても引いたりしないでぎゅっと手を繋いでくれる。
それが嬉しくて私はさらに言葉を紡ぐ。


『あはっ!丸井くんさぁ、私のことなんだと思ってるのぉ?真田にも言ったけどさ、私は私だけの味方。だいたい私夏岡さん好きじゃないんだよね!私が今一番気に入ってんのは仁王ちゃん。だから仁王ちゃんの味方なの!それにね、あんたらつまんない。私を楽しませてくれる存在じゃなきゃ!あーあ、クロロもヒソカもみぃーんな楽しませてくれたのにさ!』
「てめぇ!」


私の言葉に切れたのか切原が私に掴みかかって殴ろうとしてきた。
まぁ、別に殴られてもすぐ治るしいいよね!
私がニコニコしながら切原の拳を抵抗なく受け入れようとすると、仁王ちゃんが私の前に立ちはだかった。


「っ、にお、せんぱ」
「名前ちゃんに手出すのは許さんぜよ。」


切原の手首を掴む仁王ちゃんは笑ってるのに目は笑ってなくて、
まぁいいけどさ!
それにしても仁王ちゃん、切原の手首ギシギシ言ってるんだけど。


『仁王ちゃん、もう離してあげて。私は大丈夫だよ!てゆか、私別に殴られてもよかったのにー』
「ダメじゃ。名前ちゃんが良くても俺がイヤなんじゃ。」
『ふーん。まっ、いっかぁ!』


私がにこっと笑ったら仁王ちゃんもにこっと笑ったので良しとします!


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bkm
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