《ごしゅじん!ごしゅじん!これからどうするの?》
もふもふの狛犬くんはそう言って私の胸に擦り寄る。
そんな狛犬くんの頭を撫で撫でと撫でる。
狛犬くんもふもふで気持ちいい。
『んー…とりあえず、私のことご主人って言うのやめません?』
《えー。じゃあ、じゃあ、ぼくのこともこまいぬくんっていうのやめてよ!》
『……なんて呼べばいいんですか?』
《え?そ、それはーごしゅじんが考えてよ!》
そんな狛犬くんの言葉に頭を捻らせる。
狛犬くんの名前…狛犬くんの名前……
んー……私ってセンスないんですよねー…
『じゃあ、めーちゃんはどうです?狛犬くんもふもふで羊みたいですし。』
《めーちゃん?めーちゃん…、ぼく、めーちゃん?》
『はい。ダメ、ですか?』
こて、と首を傾げる狛犬くんを見て不安になる。
やっぱり、めーちゃんはダメかなぁ?
《ううん!うれしい!ありがとう!ごしゅじん!》
『!よかったです。で、めーちゃんは私のことご主人って言うのやめてくれないんですか ?』
《……わふー!》
あ、この子私のことご主人って呼び続けるつもりです。
わふーって…
もっとなんか違う誤魔化し方があったと思うのですが……
《そ、それより、これからどうするのか決めようよ!》
『…そうですね。あ、そういえば、めーちゃんを私のところに来させたのは朱雀様たちと言ってましたがどういうことですか?』
さっきはめーちゃんの話しで聞き返せなかったけど、それって重要なことじゃないですか。
《んーと、すざくさまと、せいりゅうさまと、げんぶさまと、びゃっこさまがね、ぼくのところにきたの!で、ごしゅじんのことをまもったらどうだ?ってきかれて、ぼくはうん!ってこたえたんだ!》
『……そう、ですか。』
なんででしょう?
私は朱雀にも青龍にも玄武にも白虎にもあったことないのに。
なにか私の知らないことがあるのでしょうか…
朱雀のあの目を思い出して私は震えを隠すようにめーちゃんの体をぎゅっと抱きしめた。
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bkm