世界が一つになるまで 6


『………』


私が目覚めるともふもふとした何かが顔全体を覆っていた。


《ごしゅじん、だいじょーぶ?》
『〜〜〜〜〜〜!!!!』


それが喋ったことに驚いて私は声にならない声で叫びました。


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


《だからね、ごしゅじん。ぼくはうーんと、すざくさまたちからごしゅじんをまもりなさい、っていわれたからきたんだよ。》
『でも、私は別に平気ですから貴方は自由に何処かに行って貰って結構ですよ?』


もふもふとした純白の毛並みの中にちょっとだけ朱色が入ってるわんこみたいな子は私に必死になって説明をする。
でも、私はそれを拒否する。
だって必要ないですもん。
私は私だけでいいんです。


《ねぇ、ごしゅじん。おねがいだからそんなこといわないで?ぼくといっしょにいてよ。》
『貴方は…なんですか?』
《ぼく?ぼくはねーこまいぬって呼ばれてたよ!》
『じゃぁ、神様に仕える子ですね。』


それに自分のことを狛犬だと言い切った子はにこーっと、うん!そうだよ!なんて言う。
私は神様が大っ嫌いなのに。


『じゃぁ、余計にイヤです。私に貴方は必要ないです。私は神様嫌いなんです!』
《うー…なんでだよぅ。ぼく、ぼくだってぇぇ!うわぁぁぁぁああん!!!!》
『へ?ちょ、泣かないでくださいっ!』
『だってだって、うわぁぁぁぁぁあああん!!』


泣き出した狛犬くんにオロオロとする。
ど、どうしよう。泣いちゃいました…!
とりあえず私は狛犬くんを抱き上げる。
わっ、もふもふです…


『な、泣かないでください…!なんで泣くんですかぁ…!』
《だってだってぇぇえ!!みんな、みんな、ぼくなんかいらないんだぁぁぁああ!!!!うわぁぁぁあん!!!》
『い、いらなくなんかないですから!だから、だから、泣かないでくださいよ…!私まで泣きたくなるじゃないですかぁ……!』


狛犬くんをみていたら私もだんだん泣きたくなってきた。
私はぐすっと鼻をすする。


《なんで、ごしゅじんがなくのさぁ〜!ぼくが泣きたいのに〜!!》
『わ、私だっていきなりこんなところにきて泣きたいんですよぉぉお!!!馬鹿ぁぁぁあ!!』
《『うわぁぁぁぁああん!!!!!!!』》


その後、私たちは子どものように大声で泣きまくった。


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bkm
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