うーちゃんがあらかじめ薬箱を盗んだ人たちに投げといた細大砂っていう粒の大きさが違う砂を辿ってみると、大きな岩が動かされててその中に道があった。
「岩の中に道がありまーす」
『ありまーす!』
ぽちと一緒にきゃっきゃと笑いながらうーちゃんに報告する。
うーちゃんも楽しそうにして拳を握っていた。
「よし、討ち入りじゃ〜」
『討ち入りじゃ〜!』
「討ち入りでーす。」
「……オイ、空。奴らも生きるのに必死なんだろ。薬箱さえ取り返せざいいわけだし、あんまり手荒な真似はすんなよ。」
ぽちと二人でうーちゃんの真似をして拳を握りながらオー!のポーズをする。
そんな私たちを見ながらこーちゃんが注意して来たので私たちはグッと親指を立てる。
「せェへんせェへん、なぁんもせェへんて。」
「『♪〜』」
「……」
私たちが岩の中に入ると、女の人が村?の人たちを襲っていた。
女の人は鎌と鉄球?みたいなのが鎖で繋がってる奴を子どもに当てようとしてて、
それを見ていち早くこーちゃんが子どものところへ向かって鎖を掴んで子どもを庇った。
「………誰よアンタ。」
「…誰よ。じゃねェよ。テメェこそ。ガキに刃物向けてんじゃねェ!」
そう言い放つとこーちゃんは持っていた鎖を相手に返す。
でも女の人はそれを軽く鎌で撃ち返した。
「ウフフ…あなたこそ女に対して酷いんじゃない?」
「てめぇは男だろうが。医者の目を誤魔化せると思うなよ。おっさん。」
こーちゃんの言葉に驚いて女の人?を思わず二度見する。
自分の思考がまとまると驚いて叫んだ。
「おっ…ウフフ…女装が見破られたの『男の人だったのー?!女の人かとおもったのにー!すごいのー!』……」
「はいはい。名前は話の腰折るのやめよかー。」
『?』
叫んだらうーちゃんに口を抑えられた。
なんでなのー?私、悪いことしてないのに!
「……女装が見破られたのは初めてよ。でも…医者なら人を見捨てたりできないわよねェ。何者か知らないけど、大人しくしててもらいましょうか。」
女の人じゃなくて男の人らしい悪い人は、そう言って髪の綺麗な女の人の首に鎌を当てる。
『うーちゃん、あの人やだ。』
「そーかそーか。ほな、あいつ倒そうか。」
『うーちゃんかっこいいの!』
ボソリとうーちゃんの耳にコソリと話す。
すると、うーちゃんは笑って悪い人を見た。
うーちゃんはかっこいいの!で、頼りになるのー!
うーちゃんは一回ニヤリと笑うと、悪い人を見て手をパンパン叩く。
それに合わせて私とぽちも手をパンパンした。
「よーし、エエぞーやってまえー。なんや、丁度エエとこに来たわー。ほれ、ぼさっとしとらんとやってまえ〜」
『やってまえ〜!』
「…な、なんなのアイツら。」
悪い人は困ったように私たちを見る。
なんだか、人質の女の人も困ってた気がした。
「なんなのよアンタら。こいつらの仲間じゃないの?どうでもいいけど、余計なことしたらこの女殺すわよ。」
「だから早くやれ言うとんのに。」
『のにのにー!』
「空くん、ちょっと黙ろうかー。あと、名前はなんでもかんでも真似するんじゃない。」
こーちゃんの言葉ににっぱぁと笑顔を返す。
私たちを見るこーちゃんの目はとても疲れきっていました。まる!
「お前がやらんのやったら…ワシがやったるわ。」
そう言ってうーちゃんは矢を人質にされてる女の人の胸目掛けて投げた。
にっこり。
うーちゃんのいい嘘が始まったのー!
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bkm