街の人たちにお礼を言ったり言われたりしながら街を出る。
私がいない間に何があったのかは分からないけど、うーちゃんたちは人助けをしていたらしい。
けど、それより気になることが一つ。
『うーちゃーん?どうしたのー?機嫌悪いのー?』
「…………」
『うーちゃん……』
風邪を引いたらしい私は薬馬小四郎さん(こーちゃん)っていうお医者様にお世話になった。
それから私が目を覚ましてからうーちゃんがとっても機嫌悪そうにむすーっとして私の話を無視する。
私なんにもしてないのに!
『こーちゃん、こーちゃん。うーちゃんが私を無視するのー!』
「あっ、ああ…。そうだな。」
『こーちゃ、むぐっ、』
こーちゃんに抱きつこうとしたらうーちゃんに口押さえられて私はうーちゃんの腕の中。
「名前、変態に話しかけちゃあかん。」
「誰が変態だ。」
「そんなん薬馬に決まっとる。」
二人の間にばちばちと火花が散ってるように見えるのは私だけなのでしょーか。
ちらっと足元にいたぽちを見る。
ぽちも火花が綺麗ですーとか言ってたから私だけじゃないらしい。
「ほな名前、ぽち。ワシらはこっち行こか。」
そのままズルズルとうーちゃんと一緒に歩いていたら、別れ道に出た。
「一緒に行かないんですか〜?」
『こーちゃんとも一緒に行きたいのー。』
「いや…考え方が違う。」
こーちゃんはそう言ってうーちゃんの目をまっすぐ見る。
「俺は正々堂々人を救う。」
「嘘でなきゃ救えん奴もおるわ。」
「……もう、二度と会うこともない。」
こーちゃんはそう言って左の道に進んでしまった。
しょぼんとした私とぽちにうーちゃんが頭を撫でる。
「ほら、行くで。」
『こーちゃーんー。』
「名前…これ以上わがまま言うとワシも考えがあるで。」
そう言って人差し指を差し出すうーちゃんに私は頭に?を出す。
「飯抜きや。」
『やー!!うーちゃんの馬鹿ぁ!』
「分かったらさっさと行くで。」
うーちゃんの言葉に渋々頷くと足元にいたぽちを抱っこしてうーちゃんの隣に並んだ。
そんな私たちにうーちゃんは頭を撫でてくれたからちょっとだけ許してあげたのー。
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『ぽちあーん。』
「あーんでーす。」
「ワシにはしてくれんの?」
『うーちゃんはダメー。』
「…………」
そして、私たちがうどんとお団子を食べていると前方に見えるのは、
『あ、』
「ん?」
「……………」
さっき別れたはずのこーちゃんでした。
道はつながってたらしいです。
これでこーちゃんとも一緒に旅が出来るの!
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bkm