うーちゃんから逃げたけどすぐに捕まって、そのままうーちゃんに抱き抱えられながら移動した。
うーちゃんの上で私はぽちとたくさんお話をする。
時折、うーちゃんは私とぽちの頭を撫でてきて気持ち良かったのー。
『そっかー…ぽちはお母さん死んじゃったんだぁ…』
「でも、でもぽちは空さんと名前さんが家族になってくれたのでー寂しくないのですー。」
ぽちはそう言ってにぱーと笑う。
私もそれに嬉しくなってぽちをさらにぎゅーっと抱き締めた。
『うきゃー!私もぽちと家族になれて幸せなのー。ぽちのお母さんにも感謝なのー!ぽちと会わせてくれてありがとうって!!』
「ぽちもー空さんと、名前さんのお母様に感謝ですー。」
ぽちと二人でうーちゃんの上できゃっきゃ笑う。
「(なんや和むわー)」
『あっ!うーちゃん!!町が見えて来たよー』
「あーほんとですー。」
『うーちゃん、うーちゃん。だから降ろしてよー!!』
バタバタとうーちゃんの上で暴れる。
うーちゃんの力が強くて中々私は降りれない。
『うーちゃん、おーろーしーて!!!!』
「……しゃーないな。今度逃げたらもう離さんからな。」
『…………………』
「名前?」
『わ、分かってるのー!!だから降ろしてー!!』
うーちゃんが怖いのー。
目が本気だったよ。本気でやるつもりだったの。
うーちゃんから降ろしてもらうと私はぽちも降ろす。
ぽちがてくてく歩いてて可愛い。
しばらく歩くと町に着いた。
「なんだか楽しそうですねー」
『ほんとだー!!楽しそー!!』
「ああ、お祭りみたいやな。」
?おまつりってなんだろー?
「おまつりですかー」
『おまつり……』
魚つり→魚をつる→おまつり→?
=おま釣り
「『でたァァア!!!』」
「え?何が?」
その時に私とぽちの思考が同じだったことは知らない。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
ぽちと一緒にうーちゃんが買ってくれたものをモグモグと食べる。
イカがおいしーのー。
「おいしいでーす。」
『わたあめも好きー』
「な?怖いことあらへんやろ。」
「はい〜。おまもいませんしー。」
「おまってなんや。」
『ねーいなくて良かったのー!!』
「ねー。あ、そういえば空さん、」
うーちゃんは「おまってなんなんや」とか言いつつ私の口についていた食べカスを拭いてくれる。
『んっ、うーちゃんありがとー』
「ところで空さんはーこんな所でのんびりしてていいんですかー?」
「ん?ああ、人助けのことか。エエねん別に。」
うーちゃんがぽちに何か話してる横で私は近くにあった金魚すくいと書かれたお店を覗き込む。
そこには、たくさんの赤いお魚がいた。
すっごーい!!
里にいたときはおまつりなんてなかったし、こんなの初めてだー!!
『食べられるのかな…?』
「食べたらアカンで。」
『にっ、』
私がうっとりと赤いお魚に見とれていると後ろからうーちゃんに引っ張られた。
『食べれないんだー…』
「ぽち、妹は名前じゃ駄目なんか?」
「名前さんはー妹じゃなくてー…」
『?何の話ー?』
私ぽちの妹ってどういうことだろ?
話ついていけませんのー。
『私、ぽちの妹じゃなくてお嫁さんがいー!!』
「んー?なんか言うたかー?」
『う、うーちゃん…目が怖いのー!!!』
うーちゃんの目が「なに言ってんじゃ、ゴルァ」って感じで怖いよ。
私がうーちゃんに怯えているとぽちの耳がピクとなった。
「どないしたん?ぽち。」
「なにやらお山の方で声がー」
「山?」
『ぽちはお耳がいいねぇ。』
今のうちに!と思い私はぽちを抱き上げてぎゅーっと抱き締めた。
だってうーちゃん怖いんだもん!!
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bkm