鳥は空を飛ぶ 5


それから私とうーちゃんはみんなのお墓を建てた。
私は泣いてばっかりで建てたのはほとんどがうーちゃんだったけど。

みんなの分が終わったあと、私とうーちゃんは見晴らしのいい和尚様のお墓の前に立つ。


『うーちゃん、うーちゃんはこれからどうするの…?』
「ワシは…偽り人になる。エエ嘘ついて生きてくわ。そんで人を救う。ワシを育てたんはジジイや、そのワシが百人でも千人でも救えば…ジジイが救ったんも同じやろ。」
『そっ、か。』


うーちゃんの言葉に私は下を向く。
偽り人になることがどういうことかぐらい私も知ってる。
それが危険だってことも。


『うーちゃん、気をつけてね?ちゃんと帰ってきてね?行って、らっしゃい…』


だから、私はうーちゃんを笑顔で見送る。
うーちゃんが帰ってきてくれるって信じて。
でも、うーちゃんは私の言葉に意味がわからないとでも言うように首を傾げた。
私もそれに頭を傾げる。
変なこと言ってないよね?


『?』
「なに言うとんねん。名前も一緒に決まっとるやろ。」
『ぇ…?で、でも、偽り人って強くないとダメなんだよね…?』


私弱いし、絶対うーちゃんの足でまといになる…


「そんなん関係あらん。名前はワシとずっと一緒におるんやろ?」
『ほんとに、いいの?』
「来ないならワシが無理矢理にでも連れてくで。」
『行く!うーちゃんと一緒に行く!!』


うーちゃんの目が本気だったので思わず早口になりながらうーちゃんの言葉に頷く。
すると、うーちゃんは私の手をぎゅっと握ってくれた。


『じゃぁ、和尚様行ってくるね!私、うーちゃんの足でまといにならないように気をつけるからね!』
「ほな、行ってくるわ。」


ふわり、
風が私たちの頭を撫でた気がした。


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bkm
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