私が狂っている日



『あははは!血がいっぱい!あはははははは!楽しいね!』


僕の目の前に広がる赤、あか、紅、赫、緋、朱、たくさんのアカ。
私が作ったアカ。


「もう、やめろ。」
『えー?なんでー?とっても気持ちいいのに?ねぇ?なんで?なんで?だって僕がやらなきゃみぃんな死んでたんだよ?僕、いいことしたでしょ?』

ね、三郎?

綾人がそう言うと三郎は眉間に皺を寄せ泣きそうな顔をする。
なんでだろー?僕、いいことしたのなぁ


「今日は忍術学園に入学する日だろ。血塗れで行ったらみな驚く。」
『あっ!そうだった!じゃぁ、早く行かないと!ね、ね、でも、コレまだ壊してないよ?』


そう言って綾人が指すのは山賊、だったもの。
忍術学園に行く途中だった綾人と三郎を襲い返り討ちにあった山賊。山賊もまさか齢が十になるという少年に殺されるとは思わなかっただろう。

天才 鉢屋三郎
狂い子 久木綾人

そんな2人に襲いかかった山賊は哀れとしか言いようがない。

一つ年下の綾人が今日、忍術学園という学園に入る。

狂っている幼子がどのようにここで変わるのか。もしくは変わらないのか。

三郎は綾人を普通の幼子に戻すことが出来るのか。


最後に
世界は、無常なのである。

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