記憶が彼を蝕む日 暴君と呼ばれる彼は綾人を思い切り殴った。 尊い天女を蔑ろにした綾人が許せなかった。 「「「「綾人先輩!!!!」」」」 「こへくん!ダメだよっ!」 「こいつは愛紅を蔑ろにしたんだ!当たり前だろ!」 そんな二人が話してる横で殴られたことによりその身体が吹っ飛んでしまった綾人に駆け寄り泣きそうになる四人。 綾人はそれすら気にせずにケタケタといつもとは違うように嗤った。 『んー、あれ?血、血だねぇ。僕のだぁいすきな血。あれ?四人とも泣かないでよ。ね?』 口に着いた血を拭いながら綾人は四人にケタケタと笑いかける。 「綾人くん!大丈夫?!」 『っーーー!!!いやだぁぁぁぁぁあああ!!!!触るな!触るな!触るな!僕に、私にお前が触るな!』 女が綾人に触れようとしたとたんに綾人は凄まじい勢いで女を拒絶する。 それに驚きながらも、女は綾人に触れた。 とたん、綾人から叫び声が聞こえる。 『いやだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!』 「「「「綾人先輩?!」」」」 『あ、ぁ僕はそう、私は僕で、僕は思い出しちゃダメ、そう、僕は私だよ、あれは違う、そう、僕だから、私なのだ、私は私私私私私私私私私私ぼく私私私私私私私私僕私私私私私ボク私私私私私私私私私僕私私私、僕は私だった……?』 意味のわからない言葉を言いながら頭を抱え崩れ落ちる。 それに対し、何処からか舌打ちが聞こえると次の瞬間、綾人は誰かに手刀を落とされた。 「いったん眠れ。」 『さぶ、ろー、だぁ、どこいってたの?ぼ、くたち、がんば、ったかなぁ、でも、でも、』 「悪かった。あいつらは私に任せろ。」 『ん…ね、つぎにおきたらぼくーーー……』 なにか囁くように綾人は呟くとそのまま三郎の胸に抱かれるように眠ってしまった。 そんな綾人を見てすぐさま駆け寄る四人に三郎は苦笑すると、自分たちを見ている女たちを一瞥してすぐさま忍術学園に向かった。 戻る |