飴 のコピー | ナノ
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お茶を飲んで応接室から教室に戻ると京子ちゃんと花がすぐに駆け寄って心配してくれた。


「優雨ちゃん!大丈夫だったの!?心配したんだよ!」
「昨日は電話にもメールにも出ないし………」


私、こんなに可愛い子たちに心配されて罰が当たらないといいなぁ。
ちゅーか可愛い。萌え。


『心配させてごめんね?私なら大丈夫だから!昨日は親戚の家に行ってたたげだしね!』
「ホントよかった……」


ええぇぇぇえええ!!
京子ちゃん涙目だと…!
可愛い!可愛いけど…!


『京子ちゃん心配させてホントにごめんね?私、京子ちゃんの笑顔の方が好きだから笑って欲しいな!』


にっこりと笑って京子ちゃんの頭を撫でながら言葉を紡ぐ。
やっぱり京子ちゃんは笑顔だよね!


「う、うん!」
「優雨……あんた……」


え?なんで私、花に何こいつみたいな目で見られてんの?泣きそうなんだけど!
まあ、私は気にしないよ!


『あ、次の授業が終わったら昼休みだよね!一緒に食べよっか!』
「いいわよ」「うん!」


花と京子ちゃんは笑顔で了承の返事をくれた。
京子ちゃんに至っては私に抱きついてくれた。
ちょっ!いい匂い!
……ごめん、なんか変態ぽかった





キーンコーンカーンコン

チャイムが鳴って授業が終わると腕を伸ばす。

んー!やっと昼休み!なんか一時間しか出てないのにだいぶ疲れた!


「優雨ちゃん!今日は天気もいいし屋上で食べよ?」
『いいね!』
「じゃあ、行きましょ。」


京子ちゃんと花と喋りながらガチャリと屋上の扉を開ける。

んー屋上は風が気持ちいいね!

私と花と京子ちゃんは屋上に着くとお弁当を広げた。
私のお弁当は稜さんが作ってくれた特製なのだ!


「そういえば優雨ちゃんって今どこに住んでるの?」
『あむ。わらひ?』
「口の中から食べ物がなくなったら話して」


花に睨まれたので急いで口の中を、もぐもぐと噛んでごっくんと飲み込む。
それから私は話し始めた。


『私ねー稲妻町の帝国学園ってわかる?』
「あぁ、あのでっかい学校ね」
『ん、そうそう。私そこの近くの住宅街に居候してるんだよね』


そう。佐久間家はやはりというかなんというか、お金持ちだった
まあ、帝国学園に通ってるんだからそうだとは思ったけどね。


「けっこう遠いんだね…」
『だよねぇー並中までバスで30分かかるもん』


ブツブツと文句を言いながらプチトマトを口の中に入れる。

どうせなら転校すればよかったのに。
あ、でもそしたら綱吉と恭弥がうっさそうだからダメだ。
逆に守と一郎太は喜びそうだな。


「優雨ちゃんは親戚の家でいじめられてない?」
「そうよ。大丈夫なの?」

心配そうに私を見る二人に感動して二人を見つめる。

私をこんなに心配してくれるなんて……っ!


『京子ちゃんと花マジで大好きーっ!いじめられてないから大丈夫だよ!』


そう叫びながら私は京子ちゃんと花に抱き付いた。
んもぅ!二人とも可愛い!!


「ちょ!優雨恥ずかしいでしょ!」
「優雨ちゃん……!私も大好き!」


なんか私幸せだなぁ。
よく見る転生夢とかだと、中学生とは話あわなくてお姉さんポジションだけど、私は対等に話せた方が幸せなんだなぁ。

そうしみじみと思った今日この頃。