飴 のコピー | ナノ
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はーい
お母さんとお父さんを空港まで見送って佐久間家に向かっている水無月優雨でーす。

いや、本気(本気とかいてマジと読む)でなんで私ここにいるんだ………解せぬ。


「優雨ちゃん?調子悪いのかしら?顔色悪いわよ?」
『あー……大丈夫です』


車の助手席であーとか思いながらボーっとしていると心配そうな声色で声をかけられた。
うわぁ。美人さんに心配されちゃった。
稜さん(そう呼んでって言われた)って美人なんだよね。
まあ、うちのお母さんも美人なんだけどさ。

……………なんで私は似なかったんだorz


「もうすぐで家に着くわよー!」


そう言ってニコニコと笑う稜さん。
稜さんテンション高いな!私とは雲泥の差だ!
いや、稜さん可愛いんだけどね!


「私ねー娘って欲しかったのよね!一緒にお買い物とかしてみたかったの!」
『(可愛い!)私でよければ付き合いますよ!』
「じゃあ、落ち着いたら一緒にお買い物行きましょうね!」
『はい!』


稜さんホント可愛い!
佐久間がうらやましいー
うちのお母さんは逆に息子が欲しかった人だから4人には甘いんだよね。
私にも甘いけどねー


「着いたわ!ここが私の住んでるとこよ!」


そんなことを考えていると、家に着いたらしい。

………家、デカくないですか?
実はお金持ちか………

うっ、羨ましくなんてないんだからねっ!


「じゃあ中に入りましょ!荷物は後でも大丈夫よ!」


いつもの間にいたのか私の腕を引っ張って家の中に入る稜さん。
私の記憶じゃ、玄関前に私を下ろした後、車を車庫にいれていたはずなんだけど。
そんなことを考えている私はテンションが高い稜さんにつられて転びそうになりながら、私は家に入った。


『おじゃましまーす……』
「あっ!今は次郎も夫もいないから、とりあえず優雨ちゃんの部屋に案内するわね!」
『え?私の部屋ってあるんですか?』
「もちろんよー!」


うっそー
居候に部屋ってもらえるんだぁ……
びっくりだわ!


「ここが優雨ちゃんの部屋よ!」


テンションうなぎ登りな稜さんが私に見せた部屋は家具もきちんとそろっていて、陽当たりも良さそうでお昼寝にバッチコイな部屋だった。
でも……


『こんないい部屋いいんですかっ?』
「いいのよー!あっ、隣は次郎だから気をつけてね?」


……何を気をつける必要があるか分からないけど、こんないい部屋最高じゃないか!


「あっ!荷物を片したら一緒にお茶でも飲みましょうね!」
『はい!じゃあ、急いで片しますね!』


稜さんホントいい人だな!感動した!

まあ、まだお昼だし時間はたっぷりあるよねー。

てか、並盛から車で30分かぁ……
バス出てるから大丈夫だよね?
あーでも、寝る時間減る。
…転校したいなぁ。


『ふぃーあともうちょっとかぁ……』


あらためて見ると荷物少ないな。
まあ、マンガとかは家に置いて来ちゃったしね。
さすがに持って来ようとは思わない。


『下着ってこの棚でも大丈夫だよね?』


お風呂の時とかどうしようかな?
……まっなんとかなるか!
私はそう結論づけるとそのまま服とかその他もろもろを洋服棚に詰め込んだ。
適当とか気にしない。てか、気にしたら負け。


『よし!終わり!』


荷物が片付け終わると私は部屋から出て最初に言われたリビングに向かった。


『稜さーん。片付け終わりましたー』
「あら?早かったわね」
『荷物が少なかったんですよ。』
「じゃあ、ご飯でも食べてからお茶しましょ?」


あ、そういえばお昼ご飯食べてないや。


『そうですね』


私がそう言うと同時に出てきたお昼ご飯に私は驚き固まりました。まる。
稜さんクオリティぱねぇ。