飴 のコピー | ナノ
[ 47/51 ]



ボーッと一朗太の走りを見る。

なんか意外と速かった
さすが疾風DFですね!わかります。

てゆうか、人の視線が痛いです。
私が周りの視線を気にしてると一郎太が私の傍に駆け寄って来た。

………犬耳が見えるよ。尻尾が見えるよ。


「優雨!見てたか?」
『(痛い。視線が心の底から痛いよ)』
「優雨?」
『あっ!ごめんね。ちゃんと見てたよ!一郎太は走るの早くなったねー』
「!ホントか?!」
『え?ホントだよー』


素直に褒めて、一朗太の頭を撫でると頬を染めて嬉しそうに微笑む。

うわあ、どっちが女だかわかんないよ、コレ。一朗太とか、ただの女の子…間違えた。男の娘じゃん。

てか、女の子たちが私のこと睨んでるんだけどどうすればいいかな?


「じゃ、じゃあ来週にある大会見に来てくれないか、?」
『一郎太の大会なら見に行かなくちゃね』


確か来週はなんもなかった気がする。
あっても一郎太優先するけどね。


「(パァァアア)あ、ありがとな!」
『楽しみにしてる!だから、一郎太は早く部活しなさい』


視線が痛いんだよ。
なんか突き刺さるんだよ。
こう…ぶすっと。


「わかった…頑張るからな!」
『頑張ってね』


決めた。私、一郎太がサッカー部入るまでは陸上部の応援しない。
だって視線刺さるし。
ごめんね!一郎太!

いまだにジロジロ見てくる女の子ズに、涙目な私。
私、サッカー部見に行こう。
うん。そうしよう。

そう思って私が一郎太に報告してからサッカー部の部室を目指したとたんに、


「ちょっと話があんだけど」


女の子たちから呼び出しもらいました。
私モッテモッテー!うそです。さーせん
………あれ?私いじめフラグなん?



In 校舎裏ならぬ部室棟裏
わあ、女の子いぱーい


「いきなり出てきてアンタなんなの!?」
「他中がなんの用なのよ!」


ふざけたこと言ってる場合じゃないやー
てゆうか、一郎太ってモテるのね。
男の娘のくせにモテるのね。
いや、男の娘だからモテるってか?羨ましいなオイ。


「あんた聞いてんの!?」
「そうよ!風丸くんとどういう関係なのよ?!」


キャンキャン言ってる女の子たちに目が死ぬ。

やだ、めんどくさ。
さっさと守のとこ行こー!


『私は一郎太の幼なじみだよ。あのさ、私まだ用があるんだよね。だから、私もう行くね!あ、私並中だよ!入門許可もらってるからねー!ばいばーい!』


私は早口で言い終わるとその場をダッシュで離れた。
めんどくさいことは嫌いなんです。

そして、私こうゆう知恵はついてるからね!
伊達に前世で夢小説読んでないから!キラキラ
ごめんね!腐ってて!ぷんっ


「なんだ、あれ…、おもしろ」


前だけを見ていた私は知らなかった。
この場面を誰かに見られていたのを。