飴 のコピー | ナノ
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「『…………』」


私と綱吉は無言で廊下を歩いていた。

そんな中で私は佐久間のことをどうやって説明するかを考えていた。てゆうか、ぶっちゃけどうやったら綱吉と恭弥に怒られないか考えていた。


『(佐久間のことは言うの忘れてたってことにしてーどうしたら怒られないんだ。いや、むしろ逃げ出したい)』
「…優雨、逃げようなんて考えるなよ」
『…はぃ』


超直感素晴らしいね。
後ろも見ないで、私の気持ちに気付いた綱吉に、私一応お姉さんなのに泣きそうだよ。涙目だよ。

そんなことを考えてると応接室(と書いて地獄と読む)の扉の前に着いてしまった。


『(殺気を感じる……心の底から逃げ出したい)』


綱吉はそんな私の気持ちを無視するように応接室(と書いて地獄とry)の扉を開けてしまった。

中には、ゲームのボスキャラの如く椅子に座る恭弥の姿があった。


「恭弥、優雨連れてきたよ。」
「うん。ありがとう。」
「別に俺もいろいろ言いたかったし。放課後まで優雨が逃げ出さないように見張ってって。」
「わかってるよ。」
「じゃあ、俺は怪しまれるし教室戻るから。」
「放課後に、ね。」


綱吉は恭弥と話すと応接室(と書いてry)から出ていった。

綱吉と恭弥が何話してたかは知らないけど私に都合が悪いのはわかった。

ゆう は にげられない !


「じゃあ、昨日一緒にいた男は誰かと昨日守と一郎太に会いに行かなかった理由を教えて。」


恭弥は私ににっこり笑いながらそう言った。


『はぃ…』


なんでこんな恐いわけ!?
泣くよ!?泣いちゃうよ!?
てか、笑顔ごちそうさまでーす!


「は や く ね」
『はい!』


私は佐久間が従兄弟ってことと、昨日守と一郎太に会いに行けなかった理由をしたてに下がりながら説明した。

あれだよ。
上司に自分の間違えを説明かつ自分に罰が当たらないように説明する感じだよ!
まあ、無理なんだけどね!えっへん!私、涙目!


「ふーん…とりあえず優雨にはこれから当分風紀委員を手伝ってもらうから」
『え、?ヤダ、です』

ヒュッ ドゴッ
「なんか言った?」
『トテモヤリタイナ』


私が断ると恭弥は私の顔の近くにトンファーを投げた。トンファーは壁に突き刺さってる。ワァ、スゴイ。
…私ホントに教育間違えたなぁ。


「じゃあ、この制服着てね」
『え。私にこれを着れと…?』


そう言って、恭弥が差しだした制服は黒をベースとしてリボンが真っ赤のセーラー服だった。いやん、可愛い。かーわーいー。

だが、断る。

私コスプレとか見るの好きだけど、自分でやるのは苦手なんだよね。
京子ちゃんと花が着るのは是非とも!見てみたいけどね!

てゆうか、ぶっちゃけ私の精神年齢20歳過ぎだよ?
並中の制服も抵抗あったのにこのセーラー服を着ろと?

断固拒否するわ!


「あ。ちなみに綱吉がその服着た優雨見るの楽しみにしてたから着なかったら綱吉が恐いよ。」
『着るに決まってるじゃんか☆』


なんか私ホントに綱吉が恐いんだね(遠い目)




私が恭弥に渡されたセーラー服を(イヤイヤ)着終わると恭弥は満足したようだった。

セーラー服とか某美少女戦士じゃないか!
月に代わってお仕置きよ☆とか言うべき?言うべきなの?!

まあ、言わないけどね!


『てゆうか、さっきから屋上うっさくない?いいの?』
「行くのめんどくさい。」


それでいいのか風紀委員長。


「それよりもお茶しようか。」
『!さんせーです!』


恭弥はやっぱりいい子。
さっき教育間違えたとか思ってごめんね!
ぶっちゃけ、今も思ってるけどね!

恭弥は立ち上がるとお茶の準備をし始めた。


「お茶菓子なにがいい?」
『甘いものならなんでもいーよー』
「ん。わかった」


恭弥にそう言ってから、ドカッとソファーに座る。

はぁーなんか今日は緊張した分いつもより疲れたや…


「優雨眠いの?」
『んー?そんなことはないよ。たぶん』


お茶の用意が終わった恭弥が私の隣に座ったので、私はそのまま恭弥の肩に頭を乗せた。


「…寝るなら横になりなよ。」
『んー…』
「(絶対聞いてない…)」


恭弥がなんか言ってたけど私はそうとう疲れてたのかそのまま寝てしまった。


「(僕動けないんだけど…)」


恭弥が困ってたなんて私は知らない。