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よし!気持ち切り替えて走ろう!
私がゴン達と同い年に間違えられたとか気にしちゃ駄目だよね!!


『あ、駄目だ。なんか萎えた。』


私の目の前にあるのは長い階段。
私が気持ち切り替えたとたんにコレはないでしょー。
……だんだんめんどくなってきた。


どんっ
『わっ』
「す、すまない。」
『あー…』


誰かが私にぶつかったとか思ったらクラピカじゃん。


「私の顔に何かあるのか?」
『あ、なんでもないです。』


びっくりのあまりクラピカを見すぎてたらしい。
いやぁ。クラピカが男か女かが切実に気になっちゃって。え?気にならない?


「あぁ、私はクラピカと言う。」


え?ここで自己紹介はいるの?


『え?あ、リンネです。』
「なんだぁ?クラピカ。ナンパかよ!余裕あんな!」
「何を言ってるんだ。」


レオリオの言葉に心底呆れたようにクラピカは返す。
なんかそれはそれで傷つくんだけど。


「コイツはレオリオだ。」
『はぁ、どうも』
「――!――」


私がクラピカとレオリオと話しているとロアが私の手をぺしぺし叩いてきた。


『ん?どうしたの?』
「――、―――!!」


うん。ごめん。私には分からないよ。
役立ずな私でごめんねぇぇえええ!!


「すまない、その動物はなんだ?」
『私の家族です。』


私がそう答えるとクラピカは何かを考えるような素振りをしてから私の方を向いた。
ちなみにレオリオは必死こいて走ってます。


「変なことを聞くが、黒い龍、茶色い兎のような生物、もしくは桃色の浮く生物を知らないか?」
『……………』


あれ?心当たりがあるぞ?私の家族にそういう子がいた気がするぞ?
私は思わず腰につけてあるモンスターボールを撫でる


『……ごめん、詳しく聞いてもいいかな?』
「あぁ、黒い龍というのは手のようなものがあってその手も生きているような『ごめん、知らない』…そうか。」


嘘です。おもいっきり知ってます。
私の家族の龍くんって言います。よくダルそうにしてます。


『なんで、そんなこと聞いたの?』
「…まぁいいだろう。私の一族は特殊な目を持っていて、昔その目を狙う奴らに村が襲われたんだ。その時に、私達を助けてくれたのがその生物達を従えたものだったんだ。」


………私のことですね。わかります。


「私はなんとかその人を捜したくて、このハンター試験を受けたんだ」


そう語るクラピカはとても生き生きとしていました。

てゆうか、このクラピカ原作より余裕ありすぎじゃない?
走りながら話してんのに息切れしてないんだが。


「恥ずかしいことだが、その人を捜すために私は父親に修業をつけてもらったんだ。」


だ か ら か 。
てゆうか、このクラピカ阿呆でしょ。そんなことのためにハンター試験受けるとか………
うん。原因は私だった。なんかゴメン。


『ちなみにその人見つけてどうするの?』
「私と契りを交わしてもらおうとな……」


あ、駄目だ。コイツ目が濁ってる。
てゆうか見つかったら私の貞操の危機です。恐い。恐いよう。
ふと、ロアを見るとクラピカから何か感じとったのかガクガク震えていた。
クラピカはまだ何か喋っていたけど、私は恐くてすべて聞いていられませんでした。まる。

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