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「リンネ。俺と結婚しようよ。玉の輿だよ。」
『……あのさぁ、鍵探してる時にそんなこと言わないでよ。』


ごそごそと倒した囚人たちの懐を漁って鍵を探す。
ガチでイルミがしつこい。
ちょっといらぁだよね。うん。
あ、滅べとかは思ってないから大丈夫。


「あ、鍵見つけた。」
『よし、これで三次試験合格だね。行こっか。』
「うん。だから結婚しよ。」


お 前 は 某 婚 活 鬼 か !
ほんとにしつこいよ。私涙目。


「ねぇ、」
『〜〜〜!私!ちょーラブラブずっきゅんな彼氏いるから!めっちゃイケメンだから!』


ピシッ
そんな感じでイルミの行動が止まった。
私は顔では冷静だけど、頭の中ではめっちゃパニクってる。
そうです。嘘です。
彼氏なんているわけないよね。

私の中での一番は家族だからね。うん。


「……誰。それ。」
『え?あ、イケメン。』
「名前は。」
『(やばいやばい。イルミの念が重い、めっちゃ重い。しかも無表情具合に拍車がかかってる。)えーっと、あー………』


ごめんね。私も自分の身体が惜しいんだ。


『………カイト。』


後でカイトになんか奢ってあげよう。うん。


「……そう。そいつが死んだらリンネは俺と結婚してくれる?」
『…私子どもが六人いるんで。』
「別にいいよ。」


イルミがしつこい。
子どもがいていいんだ。
てゆうか、変だと思いなさいよ。
私みたいなガキが子ども六人いるってどういうことですか。ねえ。


『それより。早く鍵開けてよ。』
「わかった。」


イルミが鍵を開けて入ったことを確認してから私も入る。の前にはたっと考える。
あれ?てゆうかなんか忘れてない?
ん?誰か先にいた気がするのは気のせい?
しかも、私の気のせいじゃなければあの、ねちっこい気持ち悪いオーラがあるんだけど。


「やぁ。入らないのかい?」


あぁ、変態ですね。
くそっ、なんでいんだよ。

その後、くるっと方向転換して逃げようとした私がヒソカに腰を掴まれて殴ったのは秘密である。

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