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キルアSide

俺がそう言うとリンネは口を開けてアホ面していた。
…変な顔。あ、次は怒ったような顔になった。
そんな百面相しているリンネを横目にリンネについて考える。

リンネは一言で言うと不思議だ。
よく、分からない。
最初はなんか弱そうな奴だと思った。
女だし、年は俺と同じくらいだし(まぁ、実際は俺より年上だったんだけど)。
なんとなく話しかけたら礼儀について説教されたし。
つーかハンター試験で変な唄歌ってんなよな。
リンネのいるところだけ人がいなかったぜ。
…よく考えたら俺ってよくリンネに話しかけようと思ったなー。


『キルア?どうしたの?もうすぐで次の試験会場だよ』


そんなことを考えている間に次の試験会場に着くらしい。
でも、まだ周りは森だらけだ。
全然試験会場らしきところは見当たらない。


「なんでわかんの?」
『…勘。』ドヤッ
「…あっそ。」


リンネはちょっとじゃないすごく変だった。


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-


二次試験の会場に着いたとたん、リンネはどこかに消えてしまった。
アイツどこ行ったんだ?
俺がキョロキョロと探していると、リンネのことを悪く言っていたユウキが話しかけてきた。


「よっ!キルア!」
「…なに」


俺は警戒するようにユウキを見る。
コイツは変だ。
始めて会った俺とゴンにリンネは危険だ、異物だなんて言ってきた。
それに、クラピカとレオリオのことも知っていた。
しかも明らかコイツは女だ。それなのに自分は男だと言う。


「んな警戒すんなって!」
「なんの用だよ」
「ゴンたち探してんだろ?もう来てるぜ。」
「そ。」


俺はリンネを探してたんだけど。
まっいっか。
それよりコイツから離れたくて俺はユウキが指差した先にいたゴンたちのところにむかった。


「ところでなんでみんな建物の外にいるのかな?」
「中に入れないんだよ」
「キルア!」


俺がそう答えるとゴンは驚いたように俺の名前を呼ぶ。
俺はそれに一言だけ返した。
つか、レオリオの顔がひでー。何があったんだ?


「どうしたの、キルア?機嫌悪い?」
「あー…あの変な奴にあってさ」


ゴンは俺が機嫌の悪いことに気付いたらしい。
それに驚きつつも答える。
俺あんま顔に出さない方なんだけど。


「それってユウキ?」
「そ。」
「すまない。ユウキとは誰だ?」
「俺も知らねーな」


あっ、そっか。クラピカは会ったことなかったんだよな。
…じゃあ、なんであいつは2人の名前知ってたんだ?


「あれ?レオリオもクラピカも会ったことないの?」
「俺はねぇな。」
「私もない。」


おかしいな〜と呟くゴンを不思議に思ったのかレオリオとクラピカはユウキについてさらに聞き始めた。

ゴンと俺がユウキについて話すとクラピカもレオリオも顔を顰める。
まぁ、そうだよな。
自分の知らない奴が自分の名前知ってんなんて気持ちわりぃよなー。


ギギ
「「「「!」」」」


ユウキについて考えていると今まではうなり声しか聞こえなかった扉が開き始めた。
完全に扉が開いて見えたのはソファーに座って偉そうにしている女ととても巨大な大男だった。





*