フラグなんかいらない [ 41/56 ]

『ミコト!今までありがとね!』
《どういたしましてー!》


私に抱き着くミコトを私もギュッと抱き締める。
でも、今のミコトは私に変身してるから複雑な気分だわ。

ナルトたちが修行を始めてから五日目。
やっと、私もやることが終わって帰ってきた。


『ミコト〜、私がいない間になんかあった?』
《なんにもなかったよー!あ、ただナルトに何回かバレそうになったー》
『…ま、バレなかったならいっか。』


そう自己完結して、私はミコトに変身を解くように言う。
いつまでも私の身体じゃ複雑なんだよね。うん。


《えー!つまんなぁい!》
『つまんないじゃないの!早く戻れ!』
《ちぇー!》


私の身体で口を尖らせたまま頬を膨らませるミコトにそう言えば、ブーブー文句を言いながらちゃんと元の姿に戻ってくれた。

それに安心しつつ、元の姿のミコトを抱きしめた。


『あー!!やっぱりミコトはその姿が一番だよ!!!』
《ボクはリンネの格好も気に入ってるんだけどなー》


そう言って私をジッと見るミコトをスルーして、私はミコトに猫に変身するように言うとタズナさんの家に向かった。


『ん?』
《ナルトとサスケの声だねー》


向かっている途中でナルトとサスケくんの声が聞こえたのでそちらへ向かう。
すると、いたのは仲良くしゃべっているナルトとサスケくんの姿だった。


『やっほー!』
「「!リンネ?!」」
『そだよー?』


二人で仲良くしてる中、私が顔を出すと何故だか二人に詰め寄られた。
え、なんで二人してそんな私に詰め寄るの?
恐いからね?


「「リンネは俺の方が好きだよな?!」」
『え、ちょっと、なんでそんな話になった』



ちら、と肩にいたミコトを見ると目を逸らされたので、犯人はミコトのようです。


「だって、だってだって!サクラちゃんってば毎回サスケのこと言うんだ!だから、リンネは俺のだってば!」
「ふん。リンネは俺のこと好きって言ったんだよ。」
「そんなの俺はいっつも言われてるってば!」


バチバチと二人が火花を飛ばしてる横で私ははぁーと大きなため息を一つ。
ミコト…こいつサスケくんに変なこと言ったな…
なんか私が浮気がバレて問いただされてる旦那みたくなってるじゃんか。


『はぁ…とりあえず。二人とも修行しようか。』
「答えになってないってば!」
「白黒はっきりつけようぜ。」
『…修行しようか。修行。……私、頑張る人が好きなんだ。』
「「やってやる/ってば」」


そう言って意気込んで大木の元へ向かう二人の背中を見て頭を抑える。
ミコトさんはサスケくんとのフラグを作ってくれたそうです。

………最悪だ。


そんな最悪なフラグが出来たのをスルーしながら二人から離れて再不斬と白の元へ向かう。


『ミコト、後でちゃぁんと話してもらうからね。』
《………はーい。》


ふふふ、サスケくんとのフラグなんてヤバい臭いがたくさんするじゃないか。
そんなことを考えながらふふふ、と壊れたように笑う。
肩にいたミコトが私を引いた目で見ていたのは是非とも話し合いたいなと思いました。まる。

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再不斬たちの住んでいる家の前まで来ると、出雲が欠伸をしているのが見えた。


『出雲!ただいま!』
《んぁ?…あ、おかえり。二人に怪しい奴は来なかったよ。てゆうか来れなかった?僕が隠してたからね。……それより、なんでリンネはそんな疲れてるの?》
『ありがと。…いやー、ミコトが危ないフラグを作ってくれてさぁ。ね、ミコト。』


肩に乗るミコトににっこりと笑って話しを振る。
すると、ミコトはキョトンとした顔をしながらブンブンと首を振った。


《違うよー?ボクはちょっとリンネの体でサスケに好きって言っちゃっただけだもん!》
『だーかーらー、それがフラグ建設したってことなの!!!!』
《てへ☆》
『くそぅ!!!可愛いな、可愛いんだよ!!!!』


舌を出してペロリとペ◯ちゃんみたいにやるミコトはとても可愛かった。
んもぅ!!なんだよ!!!怒れないじゃんか!!!!


《リンネーそれより、早く二人に会わないと怪しまれるよー?》
『あ!やば!ミコトありがと!』
《早く行こー!》
《(リンネ、ミコトに騙されてる、騙されてるよ。)》


頭の中で出雲が私に突っ込んでいたことは知るよしもない。
てゆうか、そうゆうことは口に出そうね??!!!






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