私はツンデレじゃない [ 31/56 ]

ナルトSide

おっちゃんの話を聞いてから船から下りるまでリンネとカカシ先生はずーっと手を繋いでいた。
それにイライラしながらむすーっとする。


『……いつまで手ぇ繋いでんの。』
「リンネは可愛いなぁー」
『あ、頭撫でるなぁ!!』


そう言って歩きながらリンネの頭を撫でるデレデレとしたカカシ先生にさらにイラっとしつつ、二人、主にカカシ先生を睨みつけた。
顔真っ赤なリンネも可愛いけどカカシのせいってとこが気に入らない。
つか、カカシ先生ロリコンじゃねぇのかよ。


「ミコト、カカシ先生とリンネ離してきて」
《まぁまぁ。なんかおもしろそーだから後でねー!》
「ちっ、」


肩に乗ってるミコトに頼んだけどダメだった。
ミコトは面白いことが好きだからなぁ。
一つため息を吐いてリンネの元に早歩きで向かった。
は?サスケとサクラちゃん?
あの二人はおっちゃんとなんか話してっからいいんだよ。


「リンネーー!!」
『わっ、ナルトから抱きついてくるなんて珍しいね!!どうしたの?』
「んー?べっつにー」


俺がそう言ってニコっと笑うとリンネはデレーっとした顔をしてカカシ先生と繋いでいた手を離すと俺を抱き締めた。


『んもぉ!!ナルト可愛いぃぃぃいい!!!!』


勝った……
そう思った俺はリンネにバレないようにカカシ先生に勝ち誇った笑みを向けた。


リンネSide

ナルトが甘えて来てくれた!
いつもは人前で抱きついてきたりしないのに!

カカシと繋がれてた手を無理矢理離してナルトに抱き着く。
んもぅ!!!超可愛いよぉぉぉぉぉぉお!!!!!!


「リンネ!一緒に行くってばよ!」
『もちろん!!ナルトの誘いを断るわけないでしょー!!!』


もうもう!キュンキュンするってばよー!!!
私の後ろでカカシが悔しそうにしていたことは知らない。


私とナルトはぎゅっと手を繋いで歩く。
あぁ!やっぱりナルトは可愛い!!!!

手を繋ぎながら歩いていると、突然ナルトがキョロキョロして手裏剣を投げた。


「「「「「………………」」」」」
「フ…なんだネズミか。」


そう言っていい仕事をしたとでもいうように笑うナルト。

きゅん!!
可愛いぃぃぃいい!!!!


「って、なにかっこつけてんの!!そんなとこ初めから何もいやしないわよ!」
「コ、コラ!頼むからお前がやたらめったら手裏剣使うな…!マジでアブナイ!!」
『ナルト可愛い!!!!可愛いよ!!!!!』


私がそう言うとナルトは照れたように、他の人たちは不思議そうな顔で私を見る。
え?だって可愛いよね?!

そんなことをしていると、なにか気配を感じた。
ピクリと体を動かしてその気配に集中する。


「そこかァーー!!!」
「だからやめろーー!!!!」
「ぐがァ!!」


ナルトとサクラちゃんがコントをやっているのを見ながら、私はカカシと一緒にナルトが手裏剣を投げた方に行く。

すると、そこには真っ白い毛並みのウサギ。


『大丈夫?』


私はウサギに駆け寄ってぎゅっと抱きしめる。
ウサギの体を見てみたけど傷はなかった。
それにホッとしてこちらに来たナルトにウサギを渡すと、私はカカシの横に立った。


「リンネ、注意しろよ。」
『うん。ありがと。』


カカシの言葉にニコッと笑ってお礼を言うとナルトの肩に乗っていたミコトを呼んだ。

ミコトが来るのと同時にカカシの声が辺りに響く。


「全員伏せろ!!!!」


その言葉に反応して私たちは地面に伏せる。その上を大きな刀が私たちの真上を通過した。






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