[ 5/56 ]

そして私は母親に捨てられた。
しかも、木の葉の里の門のところに。

ここに巡音一族の私を捨てたら私は木の葉の里に殺されるなぁ。
そう思いながらぼけーっと立つ。逃げようだなんて気持ちは起きない。

巡音一族はやはりというか、特殊だ。まず、目の色が朱い。それでぐるぐる模様がついてる。それで髪の色は銀髪で毛先が赤っぽい。ちなみに毛先が赤っぽいのは次期当主の証みたいなものらしいけど……ホント、化け物染みてると自分でも思う。
顔は前と一緒でもきっとあの子たちには分からないな。

自分で自分を嘲笑う。
そんなことを考えていると、私の首元にはクナイが押し付けられていた。


「っ!子供…?でも、その容姿は…なんで、巡音一族の子供がここにいるんだ?」
『……………』


私にクナイを突き付けている男もさすがに子供には驚いたらしい。
クナイをおろして私に質問してきた。
私はなにもしゃべらない。


「とりあえず、火影様に報告か……」


なにもしゃべらない私に呆れたのか男はため息を1つ吐くと、私を横抱きにして火影邸?まで連れていった


*-*-*-*-*-*-*


「ほう…そやつが門の前にいたか…」
「はい。辺りに他の巡音一族のものはおりませんでした」


火影は私を品試しするように見る。私もその目を逸らさず見つめる。


「その髪の色…おぬし、当主の娘か…?」
『………』


その言葉さえも私は返さない。だってめんどくさいし。しゃべるのダルい。


「どうしますか?」
「ふむ……」


あーホントめんどくさい。でも、死にたくないなぁ…


「とりあえずミナトを呼ぶかのォ…」


火影がその言葉を言うと突然近くに気配を感じた。私はその気配を感じたとたんそこを見る。


「!……よく分かったね。」
「さすがはミナト。来るのが早いのォ。」
「…ええ。それでこの子はどうするんですか?」


ミナトが私に言った言葉は火影には聞こえなかったらしい。いや聞こえてたかもしれないけど、あえて無視したのかも。


「それを迷ってるんじゃよ」
「へー…。じゃあ、オレが引き取ってもいいですか?」
「おぬしがか…?」
「はい。クシナもきっと喜びます」


なんかトントン拍子で話が進んでるけど、私の話は聞かないのかなぁ?まあ、話す気ないけど。


「確かにお主とクシナなら、もしそやつが何かしたとしても大丈夫じゃろう」


ではミナトよろしく頼んだぞ。

そうして私は波風ミナトとうずまきクシナの夫婦に引き取られることになった。




[*prev] * [next#]