欲しいもの [ 35/56 ]

だぁれも私に突っ込まないまま、再不斬とカカシの戦いは終了した。
べ、別に泣いてなんかないんだからなっ!!あ、ごめん、本当はちょっとだけ泣きそう。
だってみんなして私のことスルーなんだもん!!

…まあ、冗談はそれくらいにして。

再不斬は私の記憶通りに白が千本を再不斬の体に突き刺して仮死状態にした。
そのまま白と再不斬が消えると、カカシは力尽きたように倒れた。

そして、私たちは重たいカカシを背負ってタズナさんの家に行きました。

カカシを寝かせると私は絶をしながら家から出て、ミコトを呼ぶ。


『ミコト。後はよろしくね。』
《おっけー!任せてよー!》


そう言って私に変身したミコトの頭を撫でると私は出雲のいるところへ向かった。
てゆうか、自分に変身したミコト撫でるって変な感じだな。
なんか自分を自分で撫でてるみたいだった。

木と木の間を縫うように走りながらそんなことを考えた。

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『みぃつけた!』


出雲のオーラを辿りながら走っていると、ツリーハウスのような家を見つけた。

近くまで近づくと私は円をして出雲が何処にいるのかを捜す。
でも、その前に円によってオーラを噴出した私に気付いた出雲が私の方に来た。


《リンネ!》
『出雲お疲れ!!』


私に体当たりする勢いで近づいてきた出雲をそのまま抱きしめる。


《で、どーするの?》
『とりあえず一週間であの二人を落としたいんだよねぇ。』


そう。一週間しかないから、その間にどうにか二人を説得しなければならない。

うーん…


『よし!』
《何かいい案あるの?》
『え?いや、とりあえずテントをはろうかと…』


四次元カバンから黄色いテントを取り出しながら出雲に答える。
すると、出雲は呆れたような目で私を見た。
なんだよぅ!


《はぁ…》
『だって今日は疲れたんだもーん!!』
《ただ紅茶飲んでただけなのに?》
『うっ…』


そういえばあの場に出雲もいたんだった!!
それを言われると私の良心的何かが痛む!!


《ま、いいけど。僕も眠いし。》
『やった!!出雲ありがと!!』


私は嬉々としてテントをはると、中にはいってノートを広げた。


《またそれ書くの?》
『うん。もしもの時にね。ほら、情報って大事だから。』


私が取り出したノートはいわゆる漫画ノート。
今までで三回もトリップしてるから次がないとは言えない。それに私が覚えていないせいでミナトとクシナを救えなかった。
そのことがあって、私はこのノートをつけるようになった。
私が覚えている限りのことをここに書く。
違う世界に行ったとしても、大切な誰かを守れるように…


《僕、先に寝てるからね?》
『ん、わかった。私も書き終わったら寝るー。』


私の膝の上で丸くなる出雲の身体を撫でながら私は書くことに没頭した。




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