[ 33/56 ]

消えた再不斬にカカシは神妙な顔をしてみんなに話す。


「まずはオレを消しに来るだろうが……桃地再不斬。こいつは霧隠れの暗部で無音殺人術ーサイレントキリングーの達人として知られた男だ。気がついたらあの世だったなんてことになりかねない。お前たちも気を抜くな!」


ドクンドクンと体全体が心臓になったみたいに気持ちがはやる。
きっと命のやり取りは前の世界以来だからかな?
そんなことを考えている間にもどんどん霧が濃くなっていく。


「8か所」
「!!え?なっ…何なの?!」
『サクラちゃん落ち着いて。再不斬が霧に便乗して話してるだけ。パニックになったら駄目だよ。』


霧に便乗して話す再不斬に驚いているサクラちゃんに落ち着くようにゆっくりとした口調で穏やかに話しかける。
ここで、パニックになったら危ない。落ち着かないと。


「喉頭・脊柱・肺・肝臓・頸動脈に鎖骨下動脈、腎臓・心臓……さて…どの急所がいい?クク…」
「「「「 !!! 」」」」


落ち着いて。大丈夫。守るから。
私の肩にはミコトがいて私を落ち着かせるように体を私に擦り付けてくる。

ピクリとカカシが反応したと同時に溢れる殺気。
私はこれくらいの殺気は慣れてるから平気だけど、他の人たちはガタガタと体の震えが止まらないようだった。
特にサスケくんは珍しく震えが止まらないようだった。震えてる気配が私にまで来る。


『サスケくん。』
「!」
『大丈夫だよ。カカシ先生は絶対に私たちを守ってくれるから。』
「そうそう。オレの仲間は絶対殺させやしなーいよ!」


穏やかにカカシが微笑んでるのがわかった。
そんなカカシはちょっとだけかっこいいなと思う。…本当にちょっとだけだよ?本当にちょっとだけ!

誰に言い訳をしてるのか、私は自分にそう言いきかせていると再不斬の不気味な声が聞こえた。


「それはどうかな……?」
「「「 !!!! 」」」「?」
「終わりだ。」


卍の陣の中に入ってきた再不斬に私はオーラを貯めていた足で地面を蹴る。そのまま足で再不斬の持っていた刀を砕こうとしたけど、カカシが途中で再不斬の体に体当たりをしたので無理だった。

カカシの体当たりと同時にみんなはその場から離れる。
カカシは体当たりした時に苦無で再不斬の体を刺した。


「先生!!後ろ!!」

しかし、その再不斬は水分身で再不斬はカカシの後ろに回り込むと刀を振った。
でも、そのカカシも水分身。
そして、カカシは再不斬の後ろに回り再不斬の首に苦無を当てた。


「動くな…終わりだ。」
「ス…スッゲーー!!!」
「はは…」


カカシがそう言ってみんなは安心したように笑う。
でも、このままじゃぁ終わらない。
私の予感が当たったとばかりに再不斬はクククと笑い始めた。


「終わりだと…?分かってねェーな。…サルマネごときじゃあ…このオレ様は倒せない。絶対にな。」


再不斬が今だに何か話しているけど私とミコトはそれどころじゃない。
話しが終わってカカシがピンチになってるけど私もミコトもだいぶピンチだ。


『ぷっ…』
《あは、あははっ!!!》


やばい…!一人称がオレ様って…!
オレ様、オレ様って…!
どこの金持ち部長さんですか!!
今時いないよ!!そんなやつ!!!
やばい、笑いが止まらない!!!!
どこの中二病患者やねん!!!

私とミコトが笑ってる間にカカシは再不斬の水牢の術に嵌る。
駄菓子菓子、私とミコトも再不斬の一人称にハマって笑いが止まらなくて大ピンチだった。


「ククッ…偉そーに額当てまでして忍者気どりか…だがな、本当の忍者ってのはいくつもの死線を越えた者のことをいうんだよ。つまり…オレ様の手配書にのる程度になって初めて忍者と呼べる…。…お前らみたいなのは忍者とは呼ばねェ…」


一人称オレ様はまた消える。
笑いが止まりそうにない私も、さすがにこれはマズイと思って笑いながら戦闘準備に入る。

と、ここで再不斬さんは私のブチ切れることをやってくださいました。



[*prev] * [next#]