2 [ 30/56 ] 「ねぇ……カカシ先生…波の国にも忍者っているの?」 「いや。波の国に忍者はいない。…が大抵の他の国には文化や風習こそ違うが隠れ里が存在し忍者がいる。」 そんなカカシのうんちくを右から左に流し私は一人ため息を吐いた。 結局、カカシとはなんにも喋れないで原作で言う波の国篇まで来ちゃった。 おかげで私とカカシには気まずい雰囲気が漂ってます。 まあ、三人にはまだバレてないし別にいっか。 一人離れたところでみんなを見る。 とにかく、私がここでやることはナルトの安全はもちろん再不斬と白の命を助けること。 あの子たちは死なせたくない。 ちらり、 道に出来てる水たまりを見て私はまたため息をついた。 『ミコト。変身で猫に変化。』 《おっけー!》 ポイと誰にも見られないようにミコトを出してから私の肩に猫として乗せた。 私たちが水たまりを通りすぎると感じた気配にニヤリと笑いながら私は絶をした。 気配が出ると同時に拘束されるカカシ。 「なに!?」 「え!!?」 「な…なんだァ?」 「一匹目」 私の目にはバラバラになるカカシの姿。 私をそれをスルー。まあ、 変わり身だし。 バラバラのカカシ(仮)には目もくれず私はナルトの元に行った奴らに向かって走った。 『私のナルトに手を出すなぁぁあぁあ!!!』 ナルトに近づく前に片方を蹴り飛ばす。 すると、鎖で繋がっていた二人は一緒に飛ばされた。 はんっ!ざまぁみろ!! 「っ、」 『ミコト!!ミコトはタズナさんとサクラちゃんのところに!!!』 ミコトがサクラちゃんたちのところに行ったのを横目で確認してから私はリンチ……げふんげふん。 殴ろうとちょっだけ拳をオーラで包みながら敵の元へ走った。 でも、立ち直るのが早かった奴らは片方はナルト。もう片方はタズナさんたちのもとへ攻撃しようとする。 「!!うわぁ!!」 「おじさん下がってェ!!」 『っ、間にあわな、』 急いで私も後ろを向いて手を伸ばすけど間に合わなくて、 それはいつかの出来事を思い出させた。 「ぐォ!!」 その言葉と同時にカカシにやられる敵。 私は力が抜けてへにゃとそこに座りこんだ。 「ナルト…すぐに助けてやらなくて悪かったな。ケガさしちまった。……お前がここまで動けないとは思ってなかったからな。とりあえずサスケよくやった。サクラとリンネもな……」 カカシが二人を褒めているシーンをぼうっと見る。 私はそれどころじゃなくて、 体の震えが止まらなかった。 《リンネ…大丈夫ー?》 『み、こと…私、また助け、られなかった…』 《……》 近づいて私の頬を黙って撫でてくれるミコトを縋るように抱き締めながら私の力不足が恐かった。 カカシがタズナさんになにかを言っているけど私の頭はそれどころじゃなくて、 ただ、ナルトを治さなくちゃってことしか頭になかった。 『ナルト…』 「?リンネ?」 『て、だして。』 私の言葉にはてなを浮かべながらもナルトはケガをした手を出してくれる。 それにほっとしながら私は発をした。 『【携帯獣の休憩所】』 「リンネ?!」 私の発と同時に治っていくナルトの手。 それにやっと安心できた。 『ごめん、ごめんね。ナルト。また、助けられなかった。ごめん、ごめんごめん。』 「っ、」 「リンネ!」 『カ、カシ…?』 何故かカカシに抱きしめられた。 それに不思議に思って名前を呼ぶ。 もうカカシを離す元気もない。 「ちょっと来なさい。」 『な、』 私の言葉を聞かずにカカシは足早にみんなからちょっとだけ離れたところに私を引っ張る。 声が聞こえないところまで来るとカカシは私に向き直った。 『なにすんの?やめてよ。分かってるってば。私が助けられなかったのが悪かったんだよね。カカシには八つ当たりしたんだよ。だから、もういいじゃん。みんなのとこに帰ろう。』 「っ、おっまえなぁ…」 『?』 あの時、私が気絶していなければ私は二人を助けられた。 でも私が悪いなんて思いたくなかったから。 だから、カカシにぶつけた。 あー。もうやだ。 「俺はそんなこと思ってないから。」 『な、に言って、』 「リンネの言う通りだよ。俺はナルトが先生の子供だって気付いてた。でも、同時に先生を奪った九尾が躰の中にいるナルトが許せなかった。だから、ナルトがなにをされても知らないフリしたんだ。」 『…ムカつく。』 「うん。ごめんね。でも、それでも俺はリンネもナルトも好きだよ。」 なに、それ。 『……ほんとはべつにカカシのこと嫌いじゃない。ミナトとクシナを取られる感じがして嫌いだっただけ。逢いたくなかったから私、隠れてた。』 「知ってた。」 『………へ?』 「先生っていつもリンネのこと言ってたから知ってたよ。」 それを聞いて私は顔を真っ赤に染める。 恥ずかしい、恥ずかしい恥ずかしい!!!! 『もう、いいっ!!……みんなのとこに帰ろ。』 「そうだね。」 帰るときに手を繋いであげた。 カカシの手はミナトの手みたいで安心したのは秘密。 [*prev] * [next#] |