やっと、会えた。 [ 12/56 ]

《もうすぐ、もうすぐ、会えるよ》


………?最近、おかしな夢を見る。懐かしいような、泣きたい気持ちになる夢。
あれから、七年が経った。もうすぐで原作が始まる。私は一人、地下牢でナルトとクシナ、ミナト……それからあの子たちの事だけを考える。今の私を支えるもの。大好き人たち。


『…ヒマだなぁ。』
「リンネ……。」
『なんですか?火影サマ。』
「お主がここから出られることになった」
『………はぁ?』


今の私はそうとうアホ面していたと思う。だっていきなりだよ?意味わかんない。


「ナルトはもうすぐアカデミーを卒業するじゃろう。そこでナルトを制御するものが必要なんじゃ。」
『それで私かぁ……』
「そうじゃ……。」
『うん。いいよ。私、ナルトに会えるならなんでもいい。』
「すまん……」
『火影が謝らないでよ。じゃあ、私寝るね。おやすみ』


なんか脱力。誰とも話したくなくて強制的に意識を沈めた。

*-*-*-*-*-*-*

《リンネ、リンネってば!!》
『うーん。まだ眠いんだってばぁ。』
《ちょ!出雲!それはさすがにマズいって!!》
「――!」


?出雲……?それはどちらの出雲さん…?


《っ〜〜!リンネの……ばかぁぁああ!!!!》
『ひやぁぁあああ!!!』


え?な、なに?なんなの?!!スッゴい痺れるんだけど!!


『…………出雲、?』
《そうだよ!馬鹿ぁああ!!》
『え、?ちょ、なんで、私出雲の言葉分かるの?あれ?私、分からないはずだったんだけど。てゆうか、え、なんでここに出雲がいるの?』
《ボクもいるよー!!》
『う、ぇぇええええぇええぇえ!?!?』


私が目を覚ますとそこにいたのはいつか私が置いていってしまった家族でした。


《逢いたかったんだから!》
《そうだよ!ボクたちを庇って死んじゃってさぁ!》
《《リンネ〜!》》
『私も逢いたかったんだけど、うん。葵とロアは私にのしかからないで。重いからね。出雲は痛い。なんであえてサンダースで私の頭ぺしぺしするの。痛いから。ミコトはその状態の私を見てニヤニヤ笑いながら、そういうこと言っても感動できないからね。』


久々に会ったはずなのに私の扱いがヒドイ気がするんだけど。


《《うぇぇえええぇえん!!!!》》
『あー。二匹とも泣かないの。』


葵とロアは泣き止む気配が全くない。


《そういえば髪の色と目変わったんだねー》
『…ミコト冷静過ぎないか?』


ミコトは二匹をスルーして髪をいじってるし。


《僕達、リンネに会う為に頑張ったんだよ!それなのにリンネは寝てるし……》
『だからって普通電気ショックやる?』


てゆうか、みんな私と喋れるようになったのはスルー?スルーなの?


『説明役が欲しい。』
《じゃあ、ボクが説明するね!》
『ミコトさんお願いします……』


ミコトが話してくれた内容はなかなかショッキングだった。
まず、どうやってここに来たかと言うと神様に連れてきてもらったらしい。……そこですでにおかしいよね。私、神様だいっっっっっきらいだから。まあ、その神様が私のまき添いでハンターの世界に来て、取り残されたミコト達を可哀想に思って、ここに連れてきてくれたらしい。……マジ神様死ね。滅べ。私のことは無視か。この野郎。
んで、私が皆と喋れるようになった理由は分からないそうだ。……たぶん私の予想だと、それって私が巡音一族だからだよね。なんということだ。初めて、巡音一族に産まれてよかったと思ってしまった。


『龍くんとレッドにも会いたいなぁ…』


でも、地下牢じゃ出せないよね……


《あ!それなら小さくできるよ?》
『………え?』
《神様がオプションだって!体を自由に大きさ変えられるようにしてくれたの!それに、前のカバンもつけてくれたよ!》


ロアと葵が可愛い。ちょー可愛い。説明の仕方が可愛い。てゆうか、神様はなんでこの子達にこんだけ待遇いいの。私、会ったことないんだけど。あ、でも、四次元カバンは嬉しいッス。嫌いだけど。

神様ムカつく。とか思いながら龍くんとレッドを出す。………なにこれ。可愛すぎる。


《…ねみぃ。》
《リンネ!あ、逢いたかったんだからな!》
『……お前ら小さいと可愛いぃいぃいいい!てゆうか龍くん感動の再開なのに第一声がそれ!?ひどくない!?そしてレッドツンデレ可愛い!!しかもデレた!!!!』


いや、ほんと。可愛いんだって!!こんなに可愛くなるとは思わなかった!!


《……リンネ、無理してテンションあげなくていいから、泣きたいなら泣きなよ。》
《龍の言う通りだぜ。オレ達はそのために来たんだからな》
『!……うわぁ、龍くんとレッド、男前すぎでしょ……。』


みんなを見ると、ロアと葵はまるで慰めるように私の手をなめていて、出雲はいつの間に戻ったのかイーブイになって私の肩にのって頬っぺたをなめてくれて、ミコトはふわふわ飛びながら私の頭を小さな手で撫でてくれて、龍くんとレッドは私の目をただ見つめていた。


久しぶりに温もりを感じて私は七年ぶりに泣いた。



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