溢れる、 [ 11/56 ]

あれから私が目覚めたのは五年が経ってからだった。
九尾にやられて体力がない時に【携帯獣の休憩所】を使った私の体は体力が戻るまで目覚めなかったようだ。
さらに私の体はあの時のまま、成長していない。
クシナとミナトは死んだ、らしい。
私が目覚めたときにいた木の葉の忍が言っていた。

結局、私は知っていたのに誰も助けられなかった。


「リンネ……何か食べなさい」
『いらない。ナルトに会わせて』
「……何度も言うようにそれは無理なんじゃ。」


火影は私を気遣うけど、ナルトにだけは会わせてくれない。
私は目覚めてから木の葉の地下牢のようなところに幽閉された。
理由は危険だから。
念を使ったところを見られていたらしい。
それに巡音一族だから。
本当は普通に殺す予定だったところを火影の希望で生きているらしい。


『……じゃぁ、写真だけでもいいから。お願い、します』
「うむ………。」


火影はその次の日にナルトの写真を持ってきてくれた

ナルトはあまり笑っていなくて、私が知るナルトとは違かった。
そのナルトを見て、罪悪感が溢れる。


『…っ!ごめ、ん。ごめんね。ナルト。私、クシナとミナトに頼まれたのに。愛して、あげられない。ごめんなさい、ごめんなさい。二人を助けてあげられなかった……!ごめんなさい……!』


枷をつけられた体が憎かった。ナルトを抱き締めてあげれない。手作りのご飯も作ってあげられない。

    愛を囁いてあげられない。


一人、冷たい地下牢で声をあげて泣いた



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