むかしむかし、ある少女がいました。
少女は全く笑わない子で誰からも気味がられていました。

そんな少女の幼なじみである少年は少女を幼いながらに愛していました。それはもう、壊れるくらいに。

少年は少女を自分だけのものにしたくてたまりませんでした。すでにそれくらい、少年は壊れていたのです。

少年はまず始めに少女の少ない友達を少女に近づかないようにさせました。少女に友達はいなくなりました。
少年が次にしようとしたことは少女の従兄を引き離すことです。
しかしその従兄は少女を少年と同じく愛していたので、それは叶いませんでした。

ある日少女の父親が少年に話しかけてきました。
少年は少女の父親とある約束をします。それは少女を守るということ。

その日の夜、少女は自分の血の繋がった実の母親を殺してしまいました。
少年にはある力があったので少女のもとへすぐに駆け付けることが出来ました。
少年が見たものは血だらけの部屋と錯乱した少女でした。
少年は錯乱している少女に向けて、暗示のような言葉をかけつづけます。
やがて人が来たときには少女は少年だけしか信じられなくなっていました。

そうして少女は壊れていきました。

少女は大きくなってからも少年以外はいりません。
もちろんそれは少年も同じでした。

ある日2人の仲を引き裂こうとする魔女のような女がやってきました。
魔女は少女を目障りだと思っていましたので少女を殺そうとします。
それを知った少年は魔女を倒しました。少女が母親を殺した時と同じように…


少女と少年はこうして幸せになりました。
めでたし。めでたし。


余談ですが、少女は知っていました。
少年の想いも、世界はそこまで少女に酷くはないということも。
それでも少女は世界よりも一人の少年を選んだ。ただ、それだけのことでした。
だって少女も少年と同じように壊れていたから。





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