悪い夢を見てるのかうなされてる燐花の手をぎゅっと握る
「俺の燐花に手を出すなんて命知らずだと思いません?雲雀さん」
「君って本当汚い殺し方するよね」
俺と雲雀さんの周りには原型がわからない程ぐちゃぐちゃな赤い残骸が転がっていた
「ははっ!雲雀さんにそう言われるとは思いませんでしたよ」
「………」
「あなたの従妹の殺しの方が“汚い殺し方”だと思いません?」
俺はそこでやっと雲雀さんの顔を見た
雲雀さんはまるで親の敵を見るような目で俺を睨んでいた
「別に……。僕はまだ君を許したわけじゃないから。」
「そうですか。俺も雲雀さんのことは危険だと思ってるんで別にいいですよ」
俺もそう言って雲雀さんを睨む
「……早く、燐花を解放したら?」
「しませんよ。一生。」
俺が答えると雲雀さんはさらに睨むをきかせて殺気まで飛ばしてきた
俺もそれに対抗して殺気を飛ばす
「燐花は僕の従妹だよ。」
「それがなにか?」
「早く僕に返してよ」
そう言う雲雀さんに俺は思わず笑う
「何がおかしいの?」
「燐花はもう俺のものです。雲雀さんのものになることは一生ありませんよ」
「………………」
雲雀さんはそれっきり黙ってしまった
「じゃあ、俺は今からやらなくちゃいけない事があるんで」
俺はそう言うと燐花を横抱きにして廃墟から出て行った
あの日以来、燐花は俺の言うことを信じて俺以外を信じなくなった
それまでは燐花の従兄である雲雀さんが邪魔で仕方なかったけど、やっと俺だけのものに出来たんだ。
一生、雲雀さんには返しませんよ