『乱太郎くん。』
「皐月ちゃん、どうしたの?」
今日は私と皐月ちゃんが委員会の当番で、一緒に保健室で包帯を巻いていた。
すると、今まで黙って作業していた皐月ちゃんが私に話しかけてきた。
『私、病気かもしれないんです…』
「ええ!?だ、大丈夫なの?!どんな症状?!あっ!善法寺先輩なら分かるかも!!」
『あのね、胸がドキドキして、頭がぐるぐるするの。それにすぐ顔真っ赤になっちゃう。』
ぇ…?それって…
「それって誰かと一緒にいる時とかじゃない?」
『うん…特に団蔵くんと一緒にいる時になるの。』
あちゃー。これってアレだよね。
恋だよね。…ここに伏木蔵がいなくてよかったなぁ
「えーそれってすっごいスリルぅー」
「!!!???」
『あれ?伏木蔵くんどうしたんですか?今日当番じゃないですよね?』
なんで、ここに伏木蔵が…
てゆうか、マズイ。マズイって!
「皐月ちゃんに会いたくなったんだぁ」
『私も伏木蔵くんに会いたかったです!』
皐月ちゃんはそう言ってニコニコ笑っている。
あぁ、そんなこと言ったら伏木蔵が…
「ほんとぉ?皐月ちゃんは本当可愛いねぇ」
『えー?伏木蔵くんの方が可愛いですよ?』
そりゃ猫被ってるもの。
伏木蔵は皐月ちゃんが大好き。それが恋か友情かはわからないけど、とにかく大好き。
だから、皐月ちゃんが団蔵を好きになったって分かったら団蔵大変だなぁ…
てゆうか、ここに来たのも偶然じゃない気がする。
「だって伏木蔵って策士だし」
「乱太郎なんか言ったぁ?」
「なんでもないよ。伏木蔵は団蔵に優しくしてあげてね。」
「えー?わかんなぁい。」
「……(団蔵どんまい)」
『?どうしたんですか?』
「なんでもないよ〜」